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[MOM398]流通経済大MF小池裕太(2年)_2点ビハインドからの1G1A!狙い通りの鮮やかFK

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[9.11 関東大学リーグ1部第12節 桐蔭横浜大2-2流通経済大 保土ヶ谷]

 正確なキックは健在だ。0-2から2点を追いついた流通経済大で1得点1アシストと全得点に絡む活躍をみせたのはMF小池裕太(2年=新潟ユース)。SBではなく、2列目左サイドで起用されると持ち前の攻撃力の高さをみせつけ、直接FKも決めた。

 前半3分、17分に失点。チーム全体では「最低限、負けなければいい。0-0でやれれば、最後の20分が勝負」(中野雄二監督)という認識があったというが、早々と2点を追う展開になった。2年生MFは「個人的に焦りはなかったけれど、チームとしては少し焦っているような雰囲気はあった。チームに声をかけながら冷静に攻めようと声をかけました」という。

 すると雨脚の強まる前半41分にチャンスはやってきた。PA手前左でFKを獲得。相手7枚が壁に並び、その前に入った味方4枚が低姿勢を保った。小池が左足で放ったボールは、DF時田和輝(3年=流通経済大付柏高)とMF石川大地(3年=水戸啓明高)の頭の間を抜けた。GK田中雄大(3年=青森山田高)が遅れて反応したが、触れることはできずに倒れこむ。ボールはゴール右へ吸い込まれた。

「自分の得意な位置だった。あそこのポジションならば、逆サイドにひねってやれば、GKも何も反応できないので。そこを練習していて、狙い通りにいったかなと思います」

 そして1-2で迎えた後半には同点弾をお膳立て。MF西槇翼(3年=流通経済大付柏高)の右クロスをFWジャーメイン良(3年=流通経済大付柏高)がヘディングシュート。ポストを叩き、こぼれが左サイドへ詰めていた小池の足元へ流れた。

「跳ね返りでダイレクトで打っていたら、GKに止められるか相手に当たっていたと思う。あそこで持ち出して、そこから折り返しの方が確実だと思ったので、中へ入れました」

 冷静に相手守備陣の位置、PA内の状況を見極め、慌てて蹴り入れることをせず。間合いを持って前進し、より正確なボールを折り返した。そして受けたジャーメインが左足シュートを流し入れた。

 2-2に追いつくゴールを決めたFWは「触るだけのいいボールが来たので」と言い、「小池のボールに上手く入れないときもあって申し訳なかったりもするんですけど、今日はしっかり入れて良かったです」と笑顔で小池への感謝を口にした。

 終わってみれば、小池は1得点1アシストでチームに勝ち点1をもたらした。流通経済大の中野監督は「最後の15分は動けずに守備のところでも軽く足を伸ばすだけになっていた」と厳しく指摘しつつも、「1得点1アシストしたのは事実だから。そう考えるとMOMは小池になるでしょう」とその活躍を認める。

 今季は鹿島アントラーズの特別指定選手として承認され、ナビスコ杯にも出場したが、流通経済大での前期リーグ戦ではチームとしての結果が伴わないなか、個人としてもくすぶっている場面も多かった。もどかしさや悔しさが上手くプレーにつながらず、気持ちとプレーがちぐはぐになっているようにも見受けられた。それでもこの日は存分に戦う姿勢を示し、結果につながった。

 それでも本人は「守備が軽いところがあったりするので、そこを意識していまず。まだまだ甘さがあるので後期リーグで直していきたいと思います」と謙虚に語る。

 この日の後期12節を終え、9位の流通経済大は首位・明治大と勝ち点12差。降格圏とは勝ち点3差と薄氷の上にいる。それでも揺らがない信念を胸に上を見続ける小池は「今は順位は下ですけど、自分たちは初めから優勝を目指してやってきたので、そこはぶらさずにやっていきたいと思います」と強く誓った。

(取材・文 片岡涼)
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