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トップでU-20代表で活躍する杉岡、原…MF高宇洋「市船の同期に負けたくない」

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MF高宇洋は「相手に怖がられる選手になっていきたい」と話した

[3.20 J3第2節 G大23 0-1 相模原 吹田S]

 ガンバ大阪U-23は後半、CBの2人が退場するという緊急事態に陥った。後半3分にDF野田裕喜が退場すると、ダブルブランチの一角だったMF中原彰吾が最終ラインに下がって対応。そして同21分にDFペ・スヨンが退場すると、もう一人のMF高宇洋も下がって守備の対応に追われた。

 しかし9人になったG大阪U-23は逆に相模原ゴールに迫るなど、互角以上の戦いぶりを見せていた。「甘さが出た」と敗戦を悔いた高だが、9人で戦った終盤については「チームとして士気を落とさずにやれたということはよかった」とまずまずの評価を語った。

 高校時代は名門市立船橋高の10番を背負ってプレーした。アルビレックス新潟に進んだMF原輝綺、湘南ベルマーレに進んだDF杉岡大暉らを擁したタレント軍団は、昨夏の総体では全国制覇を果たした。中心選手だった高はJ複数クラブが注目する中で、G大阪への入団を決めた。

 だが、2014年に3冠制覇を果たしたほどの名門クラブの選手層は、当たり前だが厚い。原がJ1開幕から4戦連続先発出場。J2で杉岡がフル出場を続け、初ゴールを奪う活躍を見せる一方で、高はセカンドチームが戦うJ3での戦いを余儀なくされている。

 しかし今は、「(トップチームとの差は)全然ある。レベルが違う」という現状を冷静にとらえている。元中国代表MFで、中国のクラブで監督をしている父親の高升氏からも「最初はスピードとか慣れない部分は多いと思うけど、自分でやるべきことをやっていけば徐々に合ってくる」というアドバイスを受けているといい、今はプロの水に慣れることを優先している。

 そんな中でもライバル意識は常に持ってプレーしている。「このチーム(G大阪U-23)でも競争はある」と話すが、やはり高校時代の同期の活躍は気にならないわけがない。4月に行われるU-20W杯に出場する日本代表候補に選ばれている原と杉岡は、今月8日に行われた市立船橋高の卒業式を代表合宿のために欠席。プロ組では高一人が出席した。杉岡が初ゴールを決めた時には「おめでとう」とLINEでメッセージを送ったというが、「同期としては相当悔しい」と思いを隠そうともしない。

「今は自分は自分の立場でやるべきことをやるしかないと思っている。徐々にレベルアップして、この先で勝っていければいい。今は追いかける立場ですけど、絶対に負けたくない」

 G大阪に入って驚いたのは、34歳で日本代表にも復帰したMF今野泰幸のプレーだという。「あの運動量、ボールを奪う部分は本当にすごい」。だが将来的には今野からポジションを奪い取らないといけない。「もっと積極的にトライしていけるような、相手に怖がられる選手になっていきたい」。一歩ずつ、確実に。期待の高卒ルーキーはマイペースで自らの道を作っていく。

(取材・文 児玉幸洋)
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