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桐光学園は数的優位活かせずPK戦で準V。田中主将「自分がみんなの今までやってきた努力を…」

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敗戦の瞬間、ピッチにうずくまる桐光学園高MF田中雄大主将

[12.3 選手権神奈川県予選決勝 桐光学園高 0-0(PK4-5)桐蔭学園高 等々力]

 3連覇に挑戦した桐光学園高はPK戦で敗れ、全国のピッチに立つことができなかった。100分間を無失点で終えながらも無念の敗戦。後半28分に相手が退場者を出したことで数的優位に立ったが、そこで1点をもぎ取ることができなかった。

 桐光学園は立ち上がり、188cmFW鷲塚蓮(2年)へのロングボールや左のU-18日本代表MF田中雄大主将(3年)と右のU-16日本代表MF西川潤(1年)の突破などから押し込み、MF矢口聖真(3年)のロングスローやFK、CKで桐蔭学園高の守りに圧力をかけた。

 前半半ば以降は相手にボールを握られる時間帯が増えたが、桐蔭学園の蓮見理志監督代行が「桐光さんは真ん中が堅くて突破するところには身体を張ってきていた。そこの強度が高くて点に結びつかなかった」と振り返ったように、桐光学園は簡単には中央に潜り込ませない。GK丸山拓郎(2年)のビッグセーブもあり、無失点のまま試合を進めていく。
 
 その強度の高い守りの前に桐蔭学園はボールこそ握っているものの、攻めあぐねる展開に。一方の桐光学園は後半11分にエースストライカーのFW倉持快(3年)を投入し、倉持や田中のスペースへの動きを交えてゴールへと迫っていった。

 そして、28分に桐蔭学園が退場者を出した後は、両サイドからの崩しを軸に相手に圧力をかけていく。だが、田中が「最後のラストパスの質だったり、クロスの質だったり、細かい部分が私生活から足りなかったのだと思います。相手がどうよりも自分たちの最後の質を上げていれば何の問題もなかった。甘い部分があったと思います」と首を振ったように、ここで精度の高いパスを供給することができない。

 延長戦でも我慢強く守る桐蔭学園を攻略することができなかった桐光学園は「練習していたので自信を持っていた」(田中)というPK戦で敗れて準優勝に終わった。5番目のキッカーとして登場した大黒柱・田中の右足シュートが枠上に外れた瞬間、試合終了。1年時から名門校で出場機会を得て来た注目MF田中は「自分がみんなの今までやってきた努力を無駄にしてしまったと思います」と唇を噛んだ。

 今年はプリンスリーグ関東の前半戦を未勝利で終え、インターハイ予選は初戦敗退。そこから巻き返し、プリンスリーグの後半戦は6勝1分1敗、選手権予選でも決勝進出を果たした。それでもわずかに足りなかった部分をCB望月駿介(2年)やMF國谷敦史(2年)、MF國谷敦史(2年)ら先発した1、2年生7人を中心に突き詰めて来年、タイトルを奪還する。

(取材・文 吉田太郎)
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