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東福岡が福岡7連覇達成。筑陽学園を下してインターハイへ

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後半35分、FW大森真吾のゴールを喜ぶ東福岡高イレブン

[6.3 総体福岡県予選決勝 東福岡高 3-1 筑陽学園高 レベル5]

 多彩な攻撃を見せた「赤い彗星」が全国切符をもぎ取った。平成30年度全国高校総体「2018彩る感動 東海総体」サッカー競技(インターハイ、三重)福岡県予選決勝が3日にレベルファイブスタジアムで行われ、東福岡高が3-1で筑陽学園高を破って7年連続16回目の全国大会出場を決めた。

 東福岡の森重潤也監督は「準々決勝、準決勝よりも少し良くなった。将来的なことを考えれば、まだ物足りないところもあるけど、勝って自信を持てるだろうし、安堵感もあると思う。先輩たちが続けてきた連覇のプレッシャーを少し感じていたのかなと思うプレーもあったし、その中でタイトルを取れたことは素晴らしい」と追われる立場の難しさを乗り越えた選手を称えつつ、全国大会に向けたさらなる強化に意欲を示した。

 強豪ひしめく福岡予選のファイナルは、公式記録上のシュート数こそ17対4と差がついたが、攻撃力を見せつける東福岡と、諦めずに食らいつく筑陽学園の好ゲームだった。試合の立ち上がりは、縦に速く攻める筑陽学園のペースだった。相手の守備陣に対し、主将のFW赤司匠が泥臭く競り合い、レフティーのMF古賀勇貴が放つキックには、キレがあった。

 しかし、先制したのは東福岡だった。伝統のサイド攻撃で押し返すと、丁寧なパスワークで敵陣を攻略。16分、右サイドから中央の逆サイド寄りまで展開すると「ここまで2試合続けて先制点を奪われていたので、先制点を絶対に大事にしようと思っていた。横から良いボールが来て、コースを狙うだけだった」と話したMF福田翔生が右足のコントロールショットをゴール右に決めた。右の野寄和哉、左の吉岡幸陽がスピード感ある突破を仕掛け、インサイドMFの福田、荒木遼太郎が相手の狭間にもぐりこむ攻撃はバリエーション豊富。鋭い攻撃を見せ、次第に試合のペースを相手から奪っていった。

 後半は、筑陽学園もFW高原夕輝の投入で押し返し、見応えのある攻防となった。後半8分、セットプレーの二次攻撃から古賀の縦パスを左サイドで受けた高原が縦の突破から低いクロスを供給。前線に残っていたDF栗原幸一郎の足下へつながり、決定機になりかけた。しかし、トラップが大きくなると、東福岡のDF松田亮がすかさず飛び出してセーブした。反対に、東福岡の荒木が鋭いクロスを送った場面で、筑陽学園はGKが弾き切れずにピンチとなったが、右DF中垣翔己が間一髪のクリアで難を逃れた。

 試合は、終盤に慌ただしく動いた。後半28分、東福岡は、右サイドでパスをつないで崩し、荒木がゴール。筑陽学園もすぐに反撃し、5分後には高原が左からのカットインで鮮やかに相手をかわし切って1点を返した。しかし、わずか2分後、東福岡は荒木のフィードにFW大森真吾が抜け出し、マークを振り切って勝利を決定付ける3点目を奪った。

 大森は「プレッシャーはみんな感じていたと思うし、大差で勝つような結果は出なかった。でも、ひとまず優勝できて良かった。次は、九州大会。新人大会で負けた大津(熊本)が出てくれば、借りを返したい。プレミアリーグも良い形で勝って、全国につなげたい。個人としては、早い時間帯から点を取ってチームを落ち着かせられるように、もっとゴールを狙いたい」と着実なステップと進化を誓った。決定力の課題は残ったが、MF中村拓也を中央の軸に据えて外、中で選択肢を持てる攻撃力は、魅力十分。全国大会でも楽しみだ。

(取材・文 平野貴也)
●【特設】高校総体2018

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