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[プリンスリーグ東海]昇格組対決は岐阜U-18が逆転勝ち!プリンス初勝利

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勝ち越しゴールを決めたFW横山智也(7番)をFC岐阜U-18のチームメイトが祝福

[6.23 高円宮杯プリンスリーグ東海第6節 名経大高蔵高 1-4 岐阜U-18 構口論義運動公園サッカー場]

 高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ東海2018の第6節が23日に行われ、名経大高蔵高FC岐阜U-18が対戦。FW横山智也(3年)の2ゴールを皮切りに4点を奪った岐阜が勝利した。

 プリンスリーグ東海に昇格した同士の一戦とあり、「ここで勝たないとリーグ戦のこの先が難しくなる。今日は勝つチャンスだと思って、いつも以上に気持ちを強くした」(MF平野旦敏、3年)岐阜だったが、序盤に主導権を握ったのは名経大高蔵だった。

 抜群のキープ力を見せたMF奥村玲音(3年)を中心にドリブルを多用した攻撃で相手を押し込むと、前半9分には相手のクリアをDF寺田將吾(3年)が素早く前方に展開。PA内のDF川合司恩(3年)が後ろに流したボールをDF沢田一颯(3年)がダイレクトで叩き込み、名経大高蔵が先制した。

 以降も、MF守永翔貴(3年)と青山隼大(3年)の両翼を中心に名経大高蔵がサイドを攻め込んだが、三田光監督が「高蔵さんは技術が合ってボールを持つスタイルなので、選手には『ある程度持たれるのは仕方ない。前半は0-0でも、0-1でも大丈夫』と伝えていた」と明かしたように相手のペースで試合が進むのは岐阜の想定内。「攻撃では良さを出せたけど、守備のミスが多かった」(島井雅也監督)名経大高蔵とは対照的に前からの守備で試合のリズムを掴み、39分にはPA手前でFKを獲得する。

 このチャンスに名乗り挙げたのはエースのFW横山智也(3年)。「雨でスリッピーだったので、GKの前でバウンドするような速いボールを狙っていた」と冷静に見極め放ったキックが直接ゴール左隅に決まり、同点に追いついた。41分にもGKからのビルドアップを奪った横山が加点し、2-1で試合を折り返した。

 後半からは運動量を上げて、セカンドボールの回収と縦への仕掛けの回数が増えた岐阜のペースで試合が進む。FW鬼頭克満(3年)らのパスを合図に、MF赤川珠園(3年)と宮永崇源(3年)の両翼が仕掛ける回数も増えると、後半21分には中央でボールを持った宮永が右前方に浮き球パス。ゴール前のDF竹中栄二(3年)が胸で落とし、鬼頭がダイレクトボレーで決めた。アディショナルタイムにはゴール前を抜け出した宮永が4点目をマーク。横山が「全員で一つの目標に向かって、声を出しながら最後まで集中できたのは良かった」と振り返った岐阜が4-1で快勝した。

 プレスやパスの速さに対応できず、開幕から連敗が続いた岐阜は今節が初勝利。中断期間中に行った日本クラブユース選手権(U-18)大会の東海予選でも勝てず、2か月以上も白星から見放されていたが、主将の平野を中心に練習から声を出しながら、攻守両面でのクオリティーアップに励んだ。

 三田監督が「苦しい中でも全員が声を出して戦えたのは、選手が成長しているからだと思う。今日はベンチにいるメンバー含めて、全員でよく勝ち切ってくれた。厳しいことを言ったこともあったけど、練習からモチベーションを高くやってくれた。ちょっとずつだけど毎日積み上げた物がこうした形になったと思う」と称えたように、確かな成長を感じる一戦だったが、目標はあくまでプリンス残留だ。横山が「今シーズン初勝利ということで良い流れが来ている。この流れを活かして、来週の試合も勝ちたい」と意気込んだように、初勝利を呼び水にし、降格圏内からの脱出を狙う。

(取材・文 森田将義)
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