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「これはヤバい…」自分とも闘い続けた唐山、重圧跳ね除けW杯出場弾

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決勝点のFW唐山翔自(右)がアシストのFW西川潤と並んでガッツポーズ

[9.30 AFC U-16選手権準々決勝 U-16日本代表 2-1 U-16オマーン代表 マレーシア]

 U-16日本代表FW唐山翔自(G大阪ユース)には常に発してきた言葉がある。「緊張しないタイプなので」。ゴール前でクールになることを求められるFWにとって、天性の資質とも言えるだろう。ただし、この日は「世界決定戦」となるAFC U-16選手権準々決勝。しかも1-1の同点という状況で送り込まれ、唐山は自分でも驚くほどに「今までと違って、めちゃくちゃ緊張していた」という。

 森山佳郎監督にとって「裏への動き出しに優れている唐山を相手が疲れてきた時間で投入する」のは事前のゲームプラン通り。後半22分、最初の交代で送り出されることも含め、唐山自身にもイメージはあった。しかし、その後のプレーはどうにも“らしさ”がない。ゴール前でクールになるどころか、力んでしまうシーンが相次ぎ、弱々しいシュートがGKに正面でキャッチされれば、FW西川潤(桐光学園高)の高速クロスにもあと一歩が出ず、絶好機で合わせられなかった。

「外したあと、これはヤバい。このまま試合が終わったらヤバいな」。自分の中に沸いてくる嫌なイメージとも戦いながら、しかし唐山は生粋の点取り屋らしくゴールを目指し続けた。

 そして、だれもがPK戦突入を考え始めた後半36分、ついにゴールをこじ開ける。左サイドを力強く突破した西川のクロスに再び飛び込んだ。かつて森山監督からクロスに合わせる能力が足りないことを厳しく指摘され、改善に取り組んできたプレーであり、今大会に入ってからもチームとして何度も何度もトレーニングで繰り返してきた形だった。

「絶対にFWの一人がGKの前に入ることになっていた」。思い切ってニアへ突っ込むと、そこにボールもドンピシャリ。ワンタッチのシュートがゴールネットを揺らし、土壇場で勝ち越しゴールを奪った。

 歓喜よりも「ホッとした」という気持ちが強かったW杯出場決定弾だったが、外しても下を向くことなくゴールに向かい続けた成果であり、トレーニングの賜物でもあった。「『ちょっと持ってるな』と思いました」。そう言って笑ったストライカーが、日本に2大会連続となるU-17W杯出場権をもたらした。

(取材・文 川端暁彦)

●【特設】AFC U-16選手権マレーシア2018
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