beacon
TOP > NEWS > 記事詳細

[新人戦]「やってやろう!」の姿勢で戦った新生・青森山田が東北制覇!

このエントリーをはてなブックマークに追加

新生・青森山田高が東北高校新人選手権大会優勝

[1.28 東北高校新人選手権決勝 秋田商高 0-2 青森山田高 いわきFCフィールド]

 新生・青森山田が東北制覇! 平成30年度東北高校新人サッカー選手権大会決勝が28日にいわきFCフィールド(福島)で行われ、選手権日本一の青森山田高(青森)と同8強・秋田商高(秋田)が激突。青森山田がFW金賢祐(2年)の2ゴールによって2-0で勝ち、2年連続6回目の優勝を飾った。

 今大会、青森山田の指揮を執った正木昌宣コーチは、選手権優勝から2週間で東北制覇を果たした新チームについて、「チャレンジャーでやっている。(選手権王者という立場を)守るよりも、『やってやろう』という気持ちがある」と頷く。チームに元気、パワーを注入できる選手が少なく、「殻を打ち破れ!」と言われてきた世代。U-18日本代表MF武田英寿主将(2年)やMF藤原優大(1年)を除くとトップチームでも経験も少ないが、それでも個々が頑張ろうとする姿勢を打ち出して東北タイトルを勝ち取った。

 前半から強度の高いゲーム展開となった。互いに球際で良く一歩が出て、運動量も多い展開。その中で優勢に試合を進めたのは青森山田の方だった。秋田商・小林克監督が「(選手権優勝校・青森山田相手で)もうちょっとハッスルしてくれると思っていた。腰が引けた状態になっていました」と指摘した相手に、圧力をかける。そして前半24分に先制点を奪った。

 右サイド後方からMF浦川流輝亜(2年)が得意の左足でFKを蹴り込むと、金がタイミング良く頭を振る形でヘディングシュートを決めた。青森山田は前日まで日本高校選抜候補合宿に参加していたMF武田英寿主将(2年)が不在。それでもプレッシングスピードの速い青森山田は秋田商に思うような攻撃をさせず、前半はMF佐藤優眞(1年)のミドルシュート1本に封じた。

 一方、選手権で10番を背負ったMF原田悠翔(1年)を怪我で欠く秋田商は、いずれも選手権8強を経験したGK山口雄也(2年)とCB松野真士(2年)、CB田近奈生(2年)の存在が大きかった。押し込まれてもPAで彼らが相手のパワフルな攻撃を跳ね返す。前半は0-1で凌ぎ、後半開始直後にはロングスローからゴール前のシーンを増やそうとした。だが、逆に突き放されてしまう。

 後半2分、青森山田はGK韮澤廉(1年)のパントキックに交代出場のFW古澤ナベル慈宇(1年)が競りに行くと、ボールが相手DFラインの背後へ抜ける。これを拾った金がGKとの1対1から2点目のゴールを決めた。

 青森山田はCBに入った藤原や浦川、MF古宿理久(2年)の配球からサイドへボールを送り、MF得能草生(2年)の縦突破などから決定的なシーンを作り出す。対する秋田商もグラウンダーでボールを繋ぐことにチャレンジし、いずれもキープ力のあるMF加藤幹基(2年)やFW糟谷歩(2年)が絡んでPAへ迫った。

 だが、青森山田は藤原や交代出場でチームにエネルギーを加えていたGK佐藤史騎(2年)らを中心に、最後の局面でパスを通すことを許さない。青森山田の正木コーチは35分ハーフのゲームで試合終盤に運動量が低下したことを指摘。「(90分間で戦う)プレミア(リーグ)のことを考えると、ちょっと落ちているなという印象があった。これでは、後半30分から失点してしまう。鍛えないといけない」と語り、浦川も「ハードワークの部分とかチーム全体が走れるようにならないといけない」と改善することを誓っていた。それでも、ほとんど隙を見せなかった青森山田が被シュート1本に封じ、2-0で勝利。大会2連覇を達成した。

 近年、選手権の優勝校は翌年に苦しんでいる印象だ。00、01年度の国見高(長崎)を最後に連覇したチームはない。優勝した翌年に全国4強入りしているチームも過去10年では星稜高(石川)だけ。厳しいマークを受ける中で続けて好成績を残すことは簡単なことではない。16年度に選手権初優勝、翌年度は選手権3回戦で敗れた経験を持つ青森山田もその難しさを知っている。今回、2度目の優勝であるのは耐性、そして精神的なゆとり。2年前の経験も踏まえ、青森山田は今年、チャンピオンという立場に重圧を感じるのではなく、それを楽しみながらパワーに変えようとしている。

 武田も認めていたように、個々の力が秀でた世代ではないかもしれない。だが、全国4000校を超える高校サッカー部のうち、1チームだけが得られる選手権王者という立場を楽しみ、成長のきっかけにすること。今大会、「やってやろう!」という姿勢で優勝した選手たちは、これから冬場の雪中トレーニングと、プレミアリーグで貪欲に成長し、目標の3冠、選手権連覇に挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)

TOP