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待ち受け伝説で話題!湘南乃風・SHOCK EYEがサッカープレイヤーに贈るアドバイス

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SNSでは待ち受けで運気UPしたという報告であふれている

 コパ・アメリカ(南米選手権)を戦うFW岡崎慎司が、自身のSNSで待ち受け画面にしていることを公言するなど、いま“歩くパワースポット”として話題の人物をご存知だろうか。湘南乃風・SHOCK EYE。「待ち受け画面にすると幸運がおとずれる」と芸能界ではじまった口コミは、メディアやSNSを賑わし、現在では多くの人がその御利益にあやかっている。

 初の著書『歩くパワースポットと呼ばれた僕の大切にしている小さな習慣』(講談社)も大ヒット中のSHOCK EYEさんに聞いた、自分のポジションの磨き方と好きなことを続けるためのヒケツとは――?

イタリアW杯でブレーメに衝撃

――SHOCK EYEさんはサッカーをご覧になることはありますか?
「日本代表戦はよく見ていますけど、一番のめり込んで見ていたのは、サッカー部に所属していた中学、高校のときでした。ポジションはFW。3トップのウイングです。足が速かったですし、センタリングの精度に自信があったんですよ。中学生のときに1990年イタリアW杯があったんですけど、当時はサイドプレイヤーの役割に変化が見られた頃だったと記憶しています。(フランツ・)ベッケンバウアーが監督をしていた西ドイツ代表(現ドイツ代表)が5バックを採用していて、ウイングバックの(アンドレアス・)ブレーメが大活躍していました。サイドバックの選手が積極的に攻撃にも関わるんだと驚いていました」

――当時はいまのようにYouTubeを見ることもできず、海外サッカーの映像を見ることは難しかったですよね。
「サッカー部の監督が画質の悪いビデオを持ってきて、それをみんなでかじりついて見ていました」

――サッカーは何年くらいやられたんですか?
「高校2年の春に高校自体を辞めているので、4年くらいです。チームのレベルは高くなかったですけど、レギュラーでしたし楽しかったですね。ただ、洋服を買いに行ったりとか、ほかの学校の友達と遊んだりとか、サッカー以外にも楽しいことがいっぱい見つかっちゃって、だんだん部活から遠のいていって……。当然レギュラーも外されました。当時はスポーツをマジメにやることがカッコ悪いと思っていたんですよね。監督に言われることを素直に聞いていることに『?』を感じたり。月並みですけど、大人に反発したかった時期でした」

――著書にも書かれていますが、事件があって高校を退学することになったんですよね?
「もうお先真っ暗ですよ。親の期待に応えたくて中学受験したものの、『どうしてこの学校に入ったのか』という自分の意思はなかった。辞めてから『学校に所属していることはすごく恵まれていたんだ』と気付かされました」

――当時のご自身に何か声をかけるとしたら……?
「退学になったことも含めて現在の自分があるので、特に言うべきことはないですかね。高校をそのまま卒業したほうが正しかったかどうかはわからないですし、起きてしまったことは防ぎようがない。問題は起きてしまったことをどう捉えるか。高校退学後に僕がとった行動に対しては、『大丈夫だよ、自分を信じて』と言ってあげたいです」

――16歳のSHOCK EYEさんは、その後どういった道へ進まれたのですか?
「自分が犯したことを償わないといけないし、失ったものも取り戻さないといけないと家族とも話しました。大検(大学入学資格検定)を取得するために学校に通い、そこでHIP HOPのDJに出会えたことが僕の人生にとっては大きな出来事なんですけど、最初は別に音楽がやりたかったわけではなかったと思う。高校生という肩書を失って、ただ自分の説明文が欲しかっただけだったと思うんです。友達に『オレ、DJなんだ』って言えるし(笑)」


湘南乃風での役割はボランチ!?

――運命に導かれるように音楽の道へと進まれ、歌い手として活動されるようになりました。サッカーと同じく、音楽の世界でもプロになるのは狭き門ですよね。
「もちろん、最初からうまくいっていたわけではありません。20代のときの彼女、現在は奥さんですけど、彼女との同棲生活の中で、彼女と音楽、どっちつかずの状況が続いていたんですよね。それがうまくいかない原因だと気づいてしまった。でも、彼女も音楽も大事で……。そんな究極の選択で、僕は音楽をとらず彼女をとった。『2年後までにデビューできなかったら音楽を辞めて、就職をする』。そこで音楽を捨てる覚悟で臨んだからこそ、2年後のデビューにつながり、いまがあるんだと思います」

――2002年に湘南乃風を結成し翌年デビューされるわけですが、20代のギラギラした歌い手が4人いる中でSHOCK EYEさんはどのような役割をされていたのですか?
「バランスをとってチームをつなぐ役目という意味で、サッカーで言うとボランチかな。当時の僕以外の3人は、みんなストライカー。もし監督のような役割の人がいたら『SHOCK EYEもストライカーをやればいいんだよ』と言われたかもしれない。でも当時の僕はストライカーをやる自信がなかったし、ストライカーにはなりきれなかったというのが本音かな」

――現在とは違う印象ですね。
「4人の中では目立つタイプではなかったし、地味な存在だったと思うんですよね。それで3人と同じポジションをやろうとしても勝てない。でも『自分のままでいいんだ、違う役割があるんだ』と気づいたのが『ワンルーム』をつくったことで(※2006年発売の『湘南乃風~Riders High~』に収録。SHOCK EYEのソロ楽曲)それが自信につながって。RED RICEにならなくていいし、若旦那にならなくていいし、HAN-KUNにならなくていいんだっていうね」

――サッカーでも11人それぞれが違う役割を担っています。
「フィールドは11人ですけど、Jリーグでも部活でも、チームにはもっとたくさんの人が関わっていますよね。たとえば、100人いたらそこには100通りの役割があると思うんです。その役割を光らせることができるのかは本人次第だし、ひとつの役割を光らせるために努力していることはサッカー人生だけでなく一人の人間としての人生に必ず活きてくる。いまはその役割に名前がないかもしれないですけど、人生を懸命に歩んでいくうちに、その役割に名前がついていると思うんです。だからいまの状態だけにとらわれないでほしいですし、長い人生をかけて突き詰めていけば、その役割にもきっと名前がつくときがくるので。それこそ昔はボランチというポジションはなかったですしね。そのときのために損得勘定抜きで自分の役割と向き合ってほしいですね」

欲張らなければ緊張しない

――著書の中で書かれている、SHOCK EYEさんのポジティブな考え方や言動は、多くの人が見習いたいと思っていると思います。そんなSHOCK EYEさんでも凹まれることはあるのでしょうか?
「もちろん凹むことはあります。ただ、周りの人から言わせると『凹んでいるうちに入らない』って(笑)。自分のことだったら悩んでも数時間。人間関係とかだと自分だけでは解決できないこともありますけど、気持ちを切り替えるスピードは相当早くなったと思います」

――そのために普段どんなことを心がけていますか?
「現状は急には変えられないのは身に沁みて感じています。だけど、眼の前で起きていることをどう捉えるかは自分の考え方ひとつで変えられると思うんです。何か出来事があったときに、自分の中でプラスの解釈ができるようにする。たとえば、失敗したときに上手くいかなかった理由を考えられれば、次に同じようなことが起きないようにこういう準備をしよう、というサイクルにできます。もちろん最初はむずかしい。でも、心がけることでできるようになるし、僕はどんなネガティブなことがあってもポジティブに転じられるような心持ちでいます」

――試合で緊張してしまい本来の力を出せないサッカー選手もたくさんいますが、彼らに何かアドバイスをいただけないでしょうか。
「僕もライブをやっているからわかるんですけど、なぜ緊張してしまうのかというと、必要以上に自分をよく見せようとか、是が非でも活躍しようと思っているから。そうなると、動きが硬くなってしまうし、チームプレーなのに独りよがりになりがち。本来は練習してきたことを出せばいいだけで、実力以上に欲張ってはいけないと思うんです。失敗してもいいとは言わないですけど、たとえ失敗したとしても次また練習して失敗しないようにすればいいだけです」

――ご自身のライブを振り返ることはありますか?
「上手くいかなかった時はもちろん映像を見たり、音源を聞いて修正していきますが、自分の中の感覚は大事にします。自分がいいライブができたなと感じたときは、あえて客観的に確認しなかったりします。例えば、ゲッターズ飯田さんに『歩くパワースポット』と言っていただきましたけど、実はその後は一度も占ってもらったことはありません。だって、もし他の占い師さんに違う占い結果を告げられてガッカリするのも嫌ですしね(笑)。自分の中での『いい感覚』は大事する。それが好きなことを続けていける秘訣なのかなと思います」


<プロフィール>
SHOCK EYE(しょっくあい)
1976年、神奈川県生まれ。RED RICE、若旦那、HAN-KUNとともに湘南乃風を結成。2003年、アルバム『湘南乃風 ~REAL RIDERS~』でデビューし、19枚のシングル、7作のアルバム、ベスト盤2タイトルをリリース。2011年にはポルノグラフィティの新藤晴一とサウンド・クリエイターの篤志とTHE 野党を結成。また、近年は℃-uteやジャニーズWEST、YouTuberのフィッシャーズなど幅広いジャンルに楽曲提供を行っている。2019年4月には初の著書『歩くパワースポットと呼ばれた僕の大切にしている小さな習慣』を講談社より発売した。
湘南乃風オフィシャルHP
Instagram@shockeye_official

(取材・文 奥山典幸)

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