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大テーマは「種まき」。今年70人超招集のU-15日本代表候補は将来へ向けて刺激と競争

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U-15日本代表候補はMF楢原慶輝(左)のゴールで先制点を奪ったが、逆転負け

[7.3 練習試合 U-15日本代表候補 1-2 青森山田高U-16 Jヴィレッジ]

 3日、福島県のJヴィレッジでトレーニングキャンプを実施していたU-15日本代表候補は、その締めくくりとして青森山田高のU-16チームと練習試合を実施した。40分×3本の形式で行われた試合は日本が先制したものの、最後は1-2のスコアで敗戦となった。

 今回のトレーニングキャンプにおける大きなテーマとして森山佳郎監督が挙げたのは「種まき」。今年に入ってから4度目の活動となるが、ここまで70人もの選手を招集きており、今回も半分が初招集。これは代表の戦力になる選手を発掘するという狙いはもちろんだが、「2年後のU-17W杯に間に合ってくれれば一番いいが、そうでなくても3年後、5年後に花開く選手たちに今のうちから刺激を与えておきたい」という狙いがある。

 このため選手の選考も、現時点での完成度よりも「武器を持っている選手かどうか」が一つの基準。また、どうしても所属チームが各大会で勝ち上がっている選手が多く招集されがちになるが、この年代は特に「チームとしてはそれほどでなくとも、キラリと光る選手はいる」という視点からの発掘を重視。街クラブの選手を含めて「できるだけ広い範囲で選手を探してきたし、これからも探していきたい」という狙いだ。このため、アジア1次予選を2か月前に控えた段階といってもまだまだメンバーを固める気もなく、選手にとっては「サバイバル」の一面を強く持つ合宿であり、練習試合だった。

 対戦相手の青森山田は、代表チーム側が希望して練習試合の相手に選んだチームである。元U-20日本代表監督である内山篤技術委員は「(青森山田は)非常にいいチームだし、こういうガツガツ来てくれる相手だと、やれる選手とやれない選手が分かる」と言う。実際、立ち上がりから激しくプレッシングをかけてくる青森山田に対し、「最初から簡単に蹴ってしまった」(MF大迫塁、神村学園中)U-15代表側が苦戦する流れとなった。

 それでもU-15代表はアグレッシブな姿勢を失わず、1本目の10分には先制点を奪い取る。前からの守備でボールを奪ったMF楢原慶輝(サガン鳥栖U-15)が「相手GKの位置もしっかり見えていた」という技ありのシュートを決め、ワンチャンスをもぎ取る形でスコアを動かした。だが青森山田もこれで簡単に負けるチームではなく、37分にCKのこぼれ球からFW名須川真光が同点ゴールを奪い取る。

 2本目もフィジカル的な能力で勝る年上の相手のプレッシャーに苦しみながらの試合運びとなり、なかなかゴールチャンスを作れない。「もっと逆サイドへ展開するなど工夫しないといけなかった」(MF佐藤海空斗、FC LAVIDA)。逆に19分には中央でのボールロストから失点を許し、1-2と勝ち越されてしまった。3本目は初招集の選手が並ぶフレッシュな布陣となったこともあり、なかなか連係面がうまくいかずに苦しい内容に。森山監督から厳しい一喝も飛ぶ中で選手個々は懸命のプレーを見せたが、最後までゴールは遠かった。結局、試合は3本トータル1-2という結果で終了となった。

 森山監督は「スコアや試合の状況を踏まえて何をすべきかという部分でまだまだ甘さが出たし、苦しい展開でリーダーシップを発揮する選手が出てこなかったことも課題」と振り返りつつ、「この世代はFWに面白い人材が多いし、この時点でチームを固めるというよりも、選手を競争させて伸ばしていきたい」と今後も代表チームを通じて選手を鍛えていく狙いを語った。

 チームは7月末にもう一度トレーニングキャンプを行い、9月9日にラオスで開催予定のAFC U-16選手権予選に臨むこととなる。

(取材・文 川端暁彦)

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