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[MOM2945]名古屋U-18MF倍井謙(3年)_決勝でも2ゴール!「評価されていない」をバネに単独得点王

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1点目を決め、古賀聡監督の元へ向かった名古屋グランパスU-18のMF倍井謙

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.31 日本クラブユース選手権U-18大会決勝 鳥栖U-18 1-3 名古屋U-18 味フィ西]

 第43回目を数えた日本クラブユース選手権(U-18)大会、栄えある得点王に輝いたのは名古屋グランパスU-18のMF倍井謙(3年)だった。11日間7試合で積み重ねた6点のうち、5点は決勝トーナメントに入って記録したもの。頂点を争う強敵相手に次々とゴールを陥れ、まさに“夏の主役”にふさわしい活躍を見せた。

 29日に行われた準決勝・京都U-18戦の2ゴールにより、得点ランキング首位とわずか1点差で迎えた最終決戦。「昨日の夜から2点を取って単独得点王になろうとイメージしていたし、前半から仕掛けていこうと思っていた」という倍井がまたしても大きな輝きを放った。

 まずは前半2分、右サイドを攻め上がったMF石谷光基(2年)からパスを受け、準決勝でも猛威を振るったカットインから力強く沈めた。「ネイマール選手、{{アザール}|エデン・アザール}選手のプレーをよく見ている」。昨季までのボランチから転身するにあたり、理想としてきた選手を彷彿とさせる切れ味が勝負を分けた。

 さらにもう1点を加えて迎えた前半32分。今度は落ち着いたポジション取りでクロスを呼び込み、名手GK板橋洋青(3年)の逆を突いて流し込んだ。「僕の力だけで取れたわけじゃない。サイドバックの選手が出してくれて、決められたのが本当に良かった」。そう謙虚に喜んだが、相手を意気消沈させるには十分な価値を持った。

 前半に3点を奪った名古屋は後半に1点を与えたものの、最後まで攻撃姿勢を保ったままタイムアップの笛を迎えた。準々決勝で1点、準決勝で2点、決勝で2点を奪った倍井は大会の単独得点王を獲得。MVPこそチームキャプテンのDF牛澤健(3年)に譲ったが、史上初のクラブユース選手権制覇は背番号7の活躍なしに得られなかった。

 だが、そんな立役者の進路はいまだに決まっていない。

「トップはあまり今は考えていなかったですけど、声が掛かればうれしいなとは思います」。周囲から向けられる期待の声とは裏腹に、トップチーム昇格の望みを控えめに語った倍井。練習参加も数多くこなしてきた身、強烈な外国籍選手も擁するビッグクラブの攻撃陣を担うことの厳しさは痛いほど分かっている。

 そもそも、そうした環境を原動力に成長してきたのが倍井だ。昨季までの「パスの選択が多かった」というスタイルから「よりゴールに直結するプレーを」という変貌も、すべては「あまり評価されていない」という苦悩があったからこそ。その答えを模索していった結果が今大会の大活躍を導いたのだ。

 だからこそ、トップチームの高い壁を基準にしながらこれからも努力を重ねていくだけだ。「今後もこうやって得点を取ったりすることを続けていくしかないと思います。それをクラブの関係者などに見てもらって、認めてもらえれば」。この夏、覚醒の時を迎えた18歳だが、その進化を止めるつもりはない。

(取材・文 竹内達也)
●第43回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会

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