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年間2敗の昌平、決勝戦も4得点の快勝で3度目の全国へ:埼玉

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昌平高が3度目の全国へ

[11.17 選手権埼玉県予選決勝 西武台高 0-4 昌平高 埼玉]

 年間わずか2敗の超攻撃的チームが、決勝戦でも圧倒した。第98回全国高校サッカー選手権の埼玉県予選は、17日に埼玉スタジアム2○○2で決勝戦を行い、昌平高が4-0で西武台高を破り、2年ぶり3回目の全国大会出場を決めた。

 前半は、拮抗した展開だった。優位性を見せたのは、持ち前のポゼッションで人数をかけて攻め上がる昌平。ビルドアップからボランチの小川優介(2年)が「得意なプレーで、毎試合、意識している」というドリブルの持ち上がりで相手の間隙を突いて前にボールを運んだり、1トップの小見洋太(2年)がスペースへ抜け出して最終ラインからのロングフィードを引き出して足下でボールをキープしたりと、多彩な選択肢で敵陣に押し込んだ。

 しかし、夏のインターハイに続く全国大会出場を狙う西武台も球際で戦い、ゴール前は人垣を作って応戦。カウンターで反撃を狙った。前半2分に訪れた最初のチャンスは、西武台。FW西岡健二(3年)のポストプレーから10番を背負う池田上総介(3年)が左足で狙ったシュートは、惜しかった。

 どちらが先に取るかといった展開だったが、昌平が押し切った。前半28分、大竹琉生(3年)が蹴った右CKをDF西澤寧晟(3年)が少し戻りながらのヘディングで合わせてゴール。先制点を奪った。西武台は、直後に関口凱心(3年)のロングフィードを胸で収めたFW西岡がシュートを狙ったが、惜しくも枠を外れた。

 後半は、リードによって落ち着きを得た昌平が、面白いように相手を動かして逆を突いた。後半3分、小見が左から中央へドリブルで入ってシュート。ゴール右に飛んだが、西武台のGK伊佐山縁心(2年)が好守を見せた。

 動かされ続けた西武台は、前半のように相手を食い止められず、波状攻撃を受ける展開を強いられた。後半10分、昌平は日本代表MF鎌田大地の弟である鎌田大夢(3年)が右サイドでボールを持つと、中盤でボール奪取を繰り返していたボランチの柴圭汰(2年)が前線へフリーラン。鎌田からスルーパスを受けると、そのまま抜け出すと見せかけてヒールパスを送り、中央右寄りでフリーになったトップ下の須藤直輝(2年)がシュート。低くニアに飛ばしたボールは、相手GKのキャッチミスによりラインを割り、貴重な追加点となった。

 後半21分には須藤が「ベンチから行けという声が聞こえたので行った」という単独の切り崩しからシュート。相手にブロックされたが、ボールはネットを揺らし、オウンゴールとなった。昌平の攻勢は止まらず、後半28分には左サイドを突破した紫藤峻(3年)のクロスに鎌田が飛び込んでヘディングシュートを突き刺し、4点目。圧倒的な力を見せつけて全国大会の切符をつかんだ。

 今季の昌平は、新人戦を制したが、関東大会予選(ベスト8)とインターハイ予選(2回戦敗退)で敗れており、これまで県外で成績を残していない。ただ、埼玉県1部リーグは14勝2分の無敗。年間2敗しかしておらず、総合力は高い。今大会は、6試合で計21得点1失点という圧倒的な成績で制した。

 昨年も評判は高かったが、県大会決勝で浦和南高に敗れるなど、勝負強さという課題を克服しての優勝で、藤島崇之監督は「大会を通して、よく成長した。やられそうなところがあっても、やられない。粘り強く、戦えている。昨年より攻守で連動性があり、役割を分担せずに戦えているのは、強み。2つの敗戦で学びが多々あった。負けた経験を生かす吸収力があって、選手同士で要求してやっている姿がプラスにつながったと思う」と選手の健闘を称えた。
 
 長短のパスを高精度でつなぎ、相手を見て逆を取る。押し込んだら、押し込んだまま中盤でボールを奪い返して、また攻める。全国大会でも力を発揮できれば、再び埼玉スタジアムでその雄姿を見せることになる。途中出場だった主将の大和海里(3年)は、Jクラブも獲得に興味を示した逸材。昨年のインターハイ全国4強も経験している。「チームも自分もさらに高めたい。全国大会も、試合は(開催地のため)埼玉県内でできる。大舞台になるほど自分の力を引き出せる。昌平として新たな記録を作りたいし、このチームで全国大会を優勝したい気持ちもある。昌平のサッカーに注目してもらいたいし、色々な人に応援してもらいたい。チームや自分のプレーを知ってもらいたい」とさらなる飛躍に意欲を示した。可能性は、十分。期待値の高いチームが全国の舞台に挑む。

(取材・文 平野貴也)
●【特設】高校選手権2019

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