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“財務”など4プロジェクト発足へ…村井チェアマン「心配なクラブはサポートできる」

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Jリーグの村井満チェアマン

 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)は9日、新型コロナウイルスの流行により、当初18日に再開する予定だった公式戦の開催を3月いっぱいまで再延期することを決めた。村井満チェアマンが9日夕、実行委員とビデオ会議で口頭合意。12日の実行委員会で正式決定する。

 会議の終了後、取材に応じた村井チェアマンは新型コロナウイルスに関する対策プロジェクトの立ち上げを表明した。①延期試合を含む日程調整、②競技日程の公平性の担保、③入場料収入の停滞による財務サポート、④ファン・サポーターを含むステークホルダーの安心・安全な環境整備の4つが発足するという。

 ①日程調整。現状で見込む4月3日の再開が実現すれば、現行フォーマットでリーグ戦とカップ戦を行う予定となっている。その場合、試合が組まれていない平日に延期試合が充てられる。その一方、今後の流行拡大によって再開日が延びた場合は、東京五輪や国際Aマッチデーに公式戦が行われるケースもあり、さらなる議論が必要となる。

 ②競技日程の公平性の担保に関しては、一部クラブだけ無観客試合が行われたり、ホームやアウェーの連戦が続いたケースの議論を行う。「公平なコンペティションとなりにくい状況になる可能性がある」とした村井チェアマンは全日程を消化できないケースも想定し、「イコールコンディションじゃない中で公正な昇降格が競えるかどうかといった点にも踏み込む」とする。

 ③は入場料収入の停滞による財務サポート。試合の延期や無観客試合がもたらすクラブ財政へのインパクトを議論する。村井チェアマンは「J2、J3クラブは自己資本が薄いクラブが多い。利益を出して税金を払うより強化費を使いたいクラブが多く、ギリギリで回しているクラブが多い」と現状を見つめた。

 もっとも、現状ではクラブライセンス制度により「幸いにも債務超過クラブはない」とし、「財務データも交換しているので心配なクラブはサポートできる」と強調。また「シーズン始めでスポンサー収入が先に入っているので、シーズン後半にこうなると大変だが、幸いにも準備ができる可能性が高い」と前向きな展望を示した。

 ④はファン・サポーターを含むステークホルダー向けの環境整備。「スタジアムの環境衛生を保全するためさまざまな物資や資材の調達をしたり、ファン・サポーターにこういう応援スタイル、こういう協力を要請したい」といった論点を議論する。無観客試合は原則行わない方針のため、村井チェアマンは「ここが一番重要なところだと思っている」と語った。

「再開を延ばしたといっても4月3日以降のシミュレーションをしないといけないので日にちがない。未曾有のリスク状況で前例がないので、サッカー界を挙げて難局を乗り切っていきたい」と村井チェアマン。予定どおりの4月3日再開ならば3月25日前後をめどに決定されるといい、「専門家の臨床の判断をいただきながら決めたい」と話した。

(取材・文 竹内達也)
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