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[天皇杯決勝]「チームのために」鹿島・内田が千金弾

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[1.1 天皇杯決勝 広島 0-2 鹿島 国立]

 鹿島の日本代表候補DF内田篤人(19)がチームに「11冠」をもたらした。前半8分、右サイドを駆け上がると、FWマルキーニョス(31)とのワンツーから右足を一閃。ほとんど角度のない位置から放たれた強烈なシュートはゴール左隅へと突き刺さった。この一撃が大きな先制パンチとなり2-0で勝利。「(シュートは)高校時代から練習してきたんで。いろいろな人が関わっての11冠。少しでも力になれたことはうれしい」と喜んだ。

 責任感の強い男だ。静岡の名門・清水東高校出身。高校時代からU-16、U-18の日本代表に選出されていたが、母校は在学中に全国大会へ1度も出場することができず「(代表合宿などで)チームに迷惑をかけてばかり。清東で絶対に全国に行きたい」と常に繰り返していた。高校生活最後の試合となった05年全国選手権静岡県大会準々決勝(対藤枝東、0-1)の試合終了後は敗戦のショックによりピッチ上で数分間動くことができず、相手選手に抱えられるようにして起こされていた。闘志を前面に出すタイプではないがチームへの愛情は誰より強い。

 プロになってからも、代表の活躍の前に「鹿島で結果を出すこと」という信念は変わらない。そしてリーグタイトルに続き、自らのゴールで天皇杯を獲得。来年、チームで、代表で、鹿島の新鋭はさらなる活躍を期す。

(取材・文 吉田太郎)

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