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米子北の俊足左SB海老沼慶士、鳥取の“中体連の星”は「自信を持ってプレーできる選手になりたい」

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鳥取の“中体連の星”。米子北高の俊足左SB海老沼慶士

 米子北高(鳥取)の左SB海老沼慶士(2年)は2021プーマカップ群馬初日(6日)終了後、「中国地方と関東はレベルが違っていて、それにビビってしまってあまり自分のスピードが活かせていない。自分のスピードを活かしてクロス上げたり、ゴールを決めたり、元々自分SHでゴールを獲ることが目的だったので」と反省していた。

 コロナ禍にあり、なかなか中国地方から外に出られない状況。この日は名古屋U-18(愛知)と長崎総合科学大附高(長崎)に勝利し、前橋育英高(群馬)とも引き分けたが、選手権で先発フル出場した攻撃的左SBにとっては不満の内容だったようだ。

 だが、「小学校、中学校からスピード、縦への突破が自分の持ち味です」という海老沼の50m走を6秒2で走るスピードとしなやかさ、左足キックは注目だ。中体連の米子市立後藤ヶ丘中(OBに元日本代表DF中田浩二氏)時代は鳥取県8強が最高成績。それでも、米子北でフィジカル面やアジリティの部分を鍛えられ、SHから転向した左SBのポジションで台頭した。

 コンバートされた当初は「どうして良いのかも分からなくて同じポジションの先輩にどう対応したら良いのかと聞いていました」。それでも、左SBの動きを学びながら、1対1なども強化。現在はスピードや左足という武器を活かし、対戦相手から警戒されるような選手になっている。

 G大阪DF昌子源や町田でブレイク中のMF佐野海舟を育てた城市德之総監督も、「“中体連の星”と呼んでいます。スピードがあって、左のクロスもある」。より守備面などを磨いていけば、よりチームにとって重要な存在となりそうだ。

 まだまだ自分のプレーをコンスタントに発揮することができていない。0-1で惜敗した山梨学院高との選手権1回戦も、自分のプレーを表現できないまま悔しい敗退となった。だからこそ、「この悔しさを活かして、まず個人を変えて、そこからチームを作り上げて上のレベルでやっていって、全国優勝を目指したいです」と意気込む。
 
 そのためにも、「自信を持ってプレーできる選手になりたい。まだビビって逃げてしまうことがある。メンタル鍛えて強くなっていきたい」。バイエルンの左SBアルフォンソ・デイビスを憧れの存在に挙げる左SBは、自信を持ってプレーできるように個を伸ばし、攻守の柱であるMF佐野航大(2年)やCB鈴木慎之介(2年)とともに新生・米子北を引っ張る。

(取材・文 吉田太郎)

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