beacon

今年は「ゴールを決めて行きたい」。青森山田MF松木玖生がサニックス杯初戦で3発!

このエントリーをはてなブックマークに追加

前半3分、青森山田高のU-18日本代表候補MF松木玖生主将が右足で先制ゴール

[3.18 サニックス杯予選リーグ 青森山田高 7-0 帝京長岡高]

 サニックス杯ユースサッカー大会2021が18日、福岡県宗像市のグローバルアリーナで開幕。予選リーグ第1節と第2節を無観客で行った。全国高校選手権準優勝校・青森山田高(青森)のU-18日本代表候補MF松木玖生(新3年)が、帝京長岡高(新潟)との初戦で3得点。7-0の快勝へ導いている。

「今年は個人としてゴールを決めて行きたい年だと思っているので、最初に決められて良かった」。青森山田は前半3分に松木が今大会のファーストゴール。左サイドからの崩しでゴール前に入り込んだ10番は、混戦後に右足で先制点を奪った。

 CB丸山大和(新3年)のヘディングシュートで2-0として迎えた20分には、FW渡邊星来(新3年)が獲得したPKを松木が左足でゴール。松木は後半20分にも左足で決めてハットトリックを達成した。

「自分の良さは守備もだと思っているので、守備でもこだわりを持ってやっていきたい」という松木。この日は、持ち味の鋭く強度の高い守備で相手の前進を阻んだ。その上で、ゴール前へのスプリントを繰り返すなど3得点。名門の新主将は攻守両面で存在感を示した。

 昨年は先輩MF安斎颯馬、MF宇野禅斗(新3年)との3人で中盤中央を構築。選手権では広島皆実高(広島)との初戦で先制点を叩き出し、帝京大可児高(岐阜)戦でも勝ち越し点を決めている松木だが、フィニッシャーでもある安斎、“守備職人”の宇野の間で自分のプレーに「迷いがあった」という。

 自陣のPAから敵陣のPAまで縦横無尽に走り回り、勝負強さを発揮するところが最大の魅力だ。一方で、やや自制しながらフォア・ザ・チームに徹し、ビルドアップや守備面で貢献したのが、昨年の松木。チームは選手権で3年連続決勝進出の快挙を成し遂げたが、松木自身は“本来の”プレーができたとは思っていない。だからこそ、「今年はよりゴールというものに注目してプレーしています」。その決意を表現するサニックス杯初戦の3ゴールだった。

 今年の青森山田はFW名須川真光(新3年)と渡邊が強力2トップを形成し、松木は1シャドーとしてプレーすることになりそうだ。1トップ2シャドーだった昨年までとフォーメーションは変わったが、「2トップになっても最初に正木コーチにも『常にゴールを目指す』と言われたので、そこは思い切って後ろも守備しつつ、ゴール前にスプリントして飛び込むということは意識しています」。フランスへの短期留学で課題を持ってスプリントすることを磨いてきた松木は今年、突破力秀でた両ワイドを含めた仲間たちを信頼してスプリントし、PAへ飛び出してゴールを奪う。

 1月の選手権決勝で敗れ、個人としては中学3年時から3年連続で全国準優勝。敗れた選手権決勝後は下を向かず、自身の経験を踏まえて涙の安斎を周囲の目から守り、前を向かせていた。「悔しい気持ちはありますけれども、一戦一戦大事に戦って行くことが大事」。強い気持ちを持って、日本一へ再チャレンジ。主将として周りにも気を配りながら、貪欲に目の前の試合で勝利とゴールを目指していく。

 まずは昨年中止に終わったプレミアリーグへ向けて集中。この日は選手権4強の帝京長岡に大勝し、プレミアリーグWESTの強豪・広島ユースをPK戦の末に下した。「プレミアリーグを戦えるチーム、一番になれるチームを作っていく」ために、サニックス杯などのフェスティバルやトレーニングでどこよりも意識高く準備を進めて4月4日の開幕戦に臨む。

(取材・文 吉田太郎)

TOP