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[MOM3421]横浜FMユースMF島田春人(2年)_技ありボレー決勝弾を沈めたのは“気持ち系”ボランチ

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横浜F・マリノスユースの舵取り役、MF島田春人

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.10 プレミアリーグEAST第2節 柏U-18 2-3 横浜FMユース 日立柏人工芝]

「自分は上手いタイプじゃなくて、どっちかと言うと“熱血”というか『気持ちでプレーする』みたいなタイプの選手なので、これからも気持ちでガンガン行きたいと思っています」。はにかみながら謙遜してはみたものの、決勝弾となった強烈なボレーはかなりのハイレベルな代物。横浜F・マリノスユースの中盤を支える“気持ち系”ボランチ、MF島田春人(2年)がアウェイの地で躍動した。

 開幕節を落とし、連敗は避けたい第2節の柏レイソルU-18戦。「自分たちのコンセプトとして前から行くというのがあるので、フォワードとコミュニケーションを取りながら、そこはガンガン行かせて後ろも付いていくみたいな形で、自分たちも良い流れで試合に入れました」と島田も口にしたように、序盤から横浜FMユースがペースを掴む。

 ドイスボランチの一角を任された島田は、前半10分に左足でミドルシュートを放つと、23分にも左サイドを単騎で運び、相手GKにファインセーブを強いるフィニッシュまで。3列目から幾度となく攻撃に関わり、惜しいシーンを創出する。

 すると、2-2の同点で迎えた後半23分。同じボランチの盟友、MF細川楓(2年)の蹴った右CKから、島田に絶好のシュートチャンスが訪れる。「コーナーからのヘディングは自分の得意な得点パターンなので、ボレーに関してはそんなに自分は狙った感じではないんですけど、ボールを最後まで見てインパクトしました」。右足で叩いたボレーは豪快にゴールネットを揺らすと、結果的にこの一撃が決勝点に。島田の積極的な攻撃姿勢が、チームに大きな白星をもたらした。

 ボランチはずっとプレーしてきたこだわりのポジション。時折サイドバックで起用されることもあるが、中盤の舵取り役に対する思い入れは小さくない。自身の課題を守備面だと認識しつつ、その意識向上のためにトップチームの選手を参考にしているという。

「喜田(拓也)選手とか扇原(貴宏)選手とか、僕たちとチームの戦い方も似ているし、目指しているというか、プレーを見るようにはしていますね」。ちなみに去年のユースをボランチの位置で支えていた植田啓太(栃木SC)については、「啓太くんは全然上手過ぎて、僕とは違います。ちょっとあそこを目指すのは無理だと思うので(笑)」とのこと。しっかり自己分析しつつ、“島田春人”としてのボランチ像確立に取り組んでいるようだ。

 今年の横浜FMユースには、セレッソ大阪U-18などで実績を残してきた大熊裕司監督が指揮官に就任。「去年から少しスタイルも変わったというか、走る強度もどんどん増えてきていることで、チーム全体が走れていると思いますし、手応えはありますね」と口にする島田も、より攻守両面での強度が求められるはずだが、その覚悟はしっかり整っている。

「個人としては試合に出て、しっかりチームを勝たせられるように、ボランチとして攻撃も守備もやっていきたいです。プレミアは始まったばかりですけど、絶対に優勝したいですし、そういう気持ちはチーム全体が同じ方向を向いていると思うので、やっぱり目標は優勝です」。

 自称“気持ち系”ボランチ。島田の攻守に渡る活躍が、若きトリコロールをネクストステージに連れていく。

(取材・文 土屋雅史)
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