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差別投稿に村井チェアマン「断固たる姿勢で臨んでいきたい」警察庁長官にも協力依頼

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 ソーシャルネットワーク上でJクラブ・選手に対する人種差別や誹謗中傷の投稿が相次いでいる問題を受けて、Jリーグの村井満チェアマンは26日に行われた理事会後のメディアブリーフィングで「本当に許すことができない、卑屈で悪質な事案だと認識している」と重大性を強調した。

 Jリーグでは近年、Jクラブ・選手に対するSNS上の差別投稿が問題化。昨年以降に顕著な新型コロナウイルスの感染を揶揄するものや、東日本大震災や第二次世界大戦の被害を想起させるもの、人種や出自を差別するものなど、内容は多岐にわたっている。また実在するサポーターの写真や氏名などを使って悪質な投稿を行う、“なりすまし”と呼ばれる手口も広がっており、各クラブが次々に注意喚起のメッセージを発信する事態に発展している。

 こうした問題を受け、村井チェアマンは「こうしたネットを使った差別であったり、さまざまな個人を攻撃するような“なりすまし”という手法もあると聞いているが、こうした状況については決定的な犯罪行為なので、撲滅していくための対応をとってきた」とした上で、昨年には松本光弘警察庁長官に協力を求めていたことを明かした。

「まず全国の警察と連携して、クラブが悪質な犯人をただしていくアプローチが必要になってくるものなので、昨年になるが、私のほうで警察庁長官を訪ねて、『Jリーグとしては絶対に許せないので、今後こうした事案があったときに各都道府県の警察と連携しながら対処していくので警察庁としてもご協力をよろしくお願いします』と申し上げた」。

 加えてJリーグは今季、元日本代表の前園真聖氏が出演する啓発ビデオをスタジアムで放映し、ファン・サポーターに向けた注意喚起も実施。さらに各クラブなどとのコンプライアンス研修で「目線合わせ、共有をしている」という。

 匿名で行うことのできるSNS上の書き込みをめぐっては、サッカー界以外でも多くの被害が生じており、すでに深刻な社会問題として認識されている。一方、投稿者の特定に必要となるプロバイダやプラットフォームへの情報開示に多額の費用がかかるなど、被害者個人による対応が困難な現状がある。

 そうした中、各都道府県警察との連携は解決に向けた一つの糸口となりそうだ。村井チェアマンは「断固たる姿勢で臨んでいきたいと考えている」と意気込みを述べた。

(取材・文 竹内達也)
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