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興國高に通う“5選手”がプロ入り。「入団内定者合同記者会見」で意欲

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興國高の「Jリーガー内定合同記者会見」に出席した5人。左からMF永長鷹虎(川崎F内定)、MF荒川永遠(山形内定)、DF坂本稀吏也(山形内定)、MF向井颯(福島内定)、MF岡澤昂星(C大阪内定)

 興國高からJリーグクラブに加入する選手たちの「Jリーグ入団内定者合同記者会見」が、15日に大阪市内の同校で行われた。会見には興國サッカー部からプロ入りするMF永長鷹虎(川崎F内定)、DF坂本稀吏也、MF荒川永遠(共に山形内定)、MF向井颯(福島内定)に加え、興國高在学中で、セレッソ大阪U-18からトップチームに昇格するMF岡澤昂星が出席。5名がプロ入り後の意気込みを語った。

 まず初めにマイクを握った永長は、「自分のストロングポイントは絶対的なドリブルだったり、細かい所でのテクニック、ゴール前でのアイデアは自分にしか出来ない技術。これから川崎フロンターレに加入しても自分のストロングポイントに自信を持ち、どんどん発揮して行きたい」と意気込みを口にした。

 練習参加した際のボール回しは、想像以上にレベルが高く、ミスが続いたせいで、気落ちしたが、チームメイトやコーチ陣が優しく声を掛けてくれた。「プレー以外の部分でチャンピオンだなという場面がとても多くて、強さを再確認できました」。川崎Fの竹内弘明強化部長はドリブルやテクニックと共にシュート精度を高く評価。「非常にスター性というか、ボールを持った時に期待され、お客さんを沸かせるプレーが多くなるとイメージが沸く選手。等々力で1発ギャグをやってくれる度胸も、プロ向きだと感じました。等々力で相手に止められない永長君を近い将来見られると思っていますので、期待しか今はありません」と期待を寄せた。

 次に意気込みを口にしたのは、山形に進む荒川と坂本の2人。「複数のポジション出来るのが1番のストロングポイント。あとは運動量が豊富で、みんなが疲れている時にその運動量が発揮できる」(荒川)、「安定したビルドアップと対人の強さが長所。特に対人の強さには自信があるので、まずはJ2ナンバーワンと言われるように頑張ります」(坂本)とそれぞれアピールした。

 2人を山形に迎える渋澤大介強化部長補佐は、荒川に対して「攻守において無駄のない選手」という第一印象を抱いたという。練習試合に参加した際の運動量を計測すると、チームで1位を記録する程、スタミナが豊富。加入を決めてからの成長速度も驚く程で、シュートを決め切る力が上がっている。坂本に関しては、「対人能力が高校生のレベルとは思えないぐらい本当に高く、高校生という印象は全くない。最初に見た時から、彼はもうプロの選手としてやっていけると確信を持ちました」(渋澤)。2人とも練習参加した際に先輩選手に対しても、自分をしっかり出せた点も評価された。

 続いて「福島ユナイテッドFCに加入を決めたのは、練習の強度が凄く高かったから。全く付いて行けなかったのですが、ここで付いて行けるようになれば、自分のスピードやスプリントを存分に発揮出来るなと思いました」と話す向井は、スピードを活かしたドリブルや裏への抜け出しが長所。加えて、スプリント回数がチームでも上位だったため、加入のオファーが届いた。

 福島の強化担当を務める柳原裕氏が評価するのは、メンタル面だ。福島加入が果たせなかったら、プロ入りを諦めるつもりで練習参加。一つのメニューが終わる度に悔しそうに独り言を口にする姿を見て、柳原氏は「本当に覚悟を持っているな、本当に福島に獲って貰いたいんだなというのが凄く伝わってきた。こういう選手と一緒に戦いたいと思ったので、オファーさせて貰った」と明かした。

 そして、「ストロングポイントは90分間通して落ちない運動量。攻撃面でも、守備面でも90分間通して、どこを見てもいるなと思われるような選手だと思います。これから運動量とボール奪取能力を見て頂ければ嬉しい」と自身の長所について話したのは岡澤。2020年にはC大阪U-23の一員として、J3に30試合出場している実力者だ。

 C大阪チーム統括部の野口裕司氏は、J3でプレーしていた頃の岡澤を見て、大人しい選手との印象を持っていた。だが、今年はプレミアリーグで開幕7連敗し、チームが苦しい状況になっている時に主将としてチームを鼓舞し、仲間に声を掛け続ける岡澤を見て、評価が大きく変わった。当初は、U-18からの昇格はゼロで考えていたが、逞しくなった姿を評価し、昇格を決めたという。野口氏は「入るだけで満足せず、1年目からポジションを奪う覚悟で頑張って欲しい」とエールを送った。

 会見の冒頭には、サッカー部OBのりょっそんさんが所属する音楽ユニット「Last Star」が、サッカー部のために書き下ろした応援ソング「プライド」を披露。終盤にはいずれもサッカー部OBのMF田路耀介、FW杉浦力斗(共にツエーゲン金沢)、MF樺山諒乃介(モンテディオ山形)も飛び入りで会見に参加。エールで後輩たちを送り出した。

(取材・文 森田将義)
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