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鹿島・ダニーロが決勝弾!首位攻防戦制し、3連勝で首位キープ(鹿島vs北京国安)

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[4.9 ACL・GL・F組第3節 鹿島1-0北京国安 カシマ]

 ACLグループリーグ第3節が9日行われ、F組の鹿島はホームで北京国安(中国)と対戦した。2試合を終えて連勝チーム同士の直接対決は、後半8分にMFダニーロ(28)が挙げた先制点を守り切った鹿島が1-0で競り勝ち、グループリーグ3連勝を飾った。

 鹿島は野沢拓也が右足首痛で欠場。代わってダニーロが左MFでACL初先発を飾り、5日のJリーグ千葉戦が出場停止だった本山雅志も右MFに入り、先発に戻った。DFラインは右から内田篤人、岩政大樹、大岩剛、新井場徹の不動の4バック。ボランチは青木剛と小笠原満男で、左太もも痛で試合前日は治療に専念した小笠原も強行先発した。前線ではマルキーニョスと田代有三が2トップを組んだ。対する北京国安も4-4-2で、前線はチアゴが1トップ気味に張り、タオ・ウェイが1.5列目という縦関係の2トップだった。

 強風が吹く肌寒い天候の中で行われた試合。鹿島は序盤からリズムに乗れなかった。ダニーロが基本は左MFながら中央に流れてくる動きが多く、時には右MFの本山とポジションチェンジ。マルキーニョスもその動きに合わせるようにサイドに流れたり、中盤に下がったりしてパスを引き出そうとしたが、簡単なパスミスが多く、ゴール前でチャンスをつくれなかった。
 前半21分にマルキーニョス、24分に新井場がミドルシュートを狙うが、攻撃は単発。北京国安は長身のチアゴがポストプレーで起点になり、タオ・ウェイ、左MFのマルティネスが巧みなボールキープとドリブルでタメをつくり、チャンスを伺った。
 鹿島にとって追い風になったのは前半33分の北京国安DFスー・ティンの退場。マルキーニョスへのファウルでこの日2枚目の警告を受けて退場処分。1人少なくなった北京国安はトップ下のタオ・ウェイをスー・ティンのいた左サイドバックに下げて対応した。
 数的優位となった鹿島はボールキープ率を高め、両サイドバックも積極的にオーバーラップを仕掛けるなど北京国安を押し込んだ。しかし最後のゴール前で体を張って守る北京国安守備陣に苦戦。決定的チャンスをつくるまでには至らず、0-0のまま前半を折り返した。

 こう着状態が続いた前半から一転、後半は一気に試合が動いた。後半8分、左サイドでボールを持ったマルキーニョスがドリブルで中に切れ込むと、絶妙な動き出しでDFラインの背後を取ったダニーロにスルーパス。ダニーロは右足ワントラップから左足でゴール右に流し込み、均衡を破った。
 後半12分には北京国安が幸運な形で絶好のチャンスを迎える。自陣からのFKにチアゴが岩政と競り合いながらゴール前に走り込むと、交錯しながら転倒。これが岩政のファウルとなり、PKを獲得した。しかしチアゴが左足で蹴ったPKはGK曽ヶ端がセーブ。さらにこぼれ球に飛び込んだフアン・ボウェンのダイビングヘッドはクロスバーを叩き、絶好の同点機を逃した。
 これで試合の流れをつかんだ鹿島はリスクを冒すことなく1-0のまま最少リードを守る。後半30分過ぎからは増田誓志、興梠慎三、佐々木竜太と攻撃的な選手を次々と入れ、追加点も狙ったが、10人の相手に余裕を持ったボール回しで中盤を支配するもののラストパス、シュートの精度を欠いた。逆に後半43分にはゴール前でマルティネスにシュートを許したが、ここは曽ヶ端が身を呈して防いだ。
 過密日程の影響か、攻撃にはいつもの勢い、迫力を欠いたが、ダニーロの一発と曽ヶ端の好守に助けられ、1-0で勝利。ACL3連勝で首位を守るとともに、リーグ戦を含めて開幕から公式戦8連勝を飾った。

(取材・文 西山紘平)

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