beacon

F東京は83分間の数的不利をしのぎ1-1ドロー

このエントリーをはてなブックマークに追加
[6.29 J1第14節 F東京1-1千葉 味スタ]

 J1第14節は29日、3試合を行い、味の素スタジアムでは3位のFC東京と最下位のジェフユナイテッド千葉が対戦。F東京は前半7分に日本代表MF今野泰幸(25)が一発退場となる苦しい展開だったが、1-1で引き分けた。

 日本代表DF長友佑都が負傷欠場したF東京は4-4-2のシステム。GK塩田仁史に4バックは右から徳永悠平、佐原秀樹、藤山竜仁、金沢浄と並んだ。中盤は今野泰幸と梶山陽平がダブルボランチを組み、右サイドにエメルソン、左サイドには昨季まで千葉に所属していた羽生直剛が入り、2トップは平山相太とカボレだった。
 前半戦を終えて最下位の千葉だが、ミラー監督就任後は公式戦5戦負けなし。その流れを重視し、日本代表でクラブを離れている時期が長かったFW巻誠一郎をベンチに置き、1トップにはこれまで通りレイナウドが入った。システムは4-2-3-1で、GK立石智紀に4バックは右から坂本將貴、池田昇平、ボスナー、青木良太。戸田和幸と斎藤大輔のダブルボランチの前に右から工藤浩平、下村東美、新居辰基と並んだ。ただ、攻撃に入ると新居は中央で高い位置を取り、レイナウドと2トップ気味になった。

 試合は開始直後から大きく動く。前半7分、F東京DF佐原がロングフィードの目測を誤り、背後にボールをそらしてしまい、レイナウドが独走。やむなく後ろから倒した今野のファウルで、いきなりPKを献上。しかも、今野にはレッドカードが突き付けられる厳しい判定で、F東京は開始7分で10人での戦いを余儀なくされた。
 しかし、ここでチームを救ったのがGK塩田。レイナウドのPKを横っ飛びではじき出すと、その直後にもPA内からレイナウド、工藤と立て続けに浴びたシュートを連続セーブでしのいだ。
 千葉の猛攻に耐え、徐々に流れを引き戻したF東京は前半23分、PA内で平山が池田に倒され、PKを取り返した。しかし、ここもカボレのキックはGK立石が好セーブ。絶好の先制のチャンスを逃した。
 その後もF東京がリズム良く攻撃を仕掛ける。数的不利を補う運動量をベースに細かくパスをつなぎ、ゴール前に攻め込んだ。前半33分にはカボレが左足でミドルシュート。同39分には縦パスを受けた平山が胸トラップから反転して右足ボレーを放ち、ゴールを襲った。
 この平山のシュートはGKに阻まれたが、結果的にCKを獲得。その左CKを羽生が逆サイドに蹴ると、完全にフリーだった佐原が頭で合わせ、先制ゴール。10人のF東京が1-0とリードし、前半を折り返した。

 後半に入っても立ち上がりの1分に羽生のパスから梶山が右足でシュートを打つなどF東京の攻勢が続いた。反撃したい千葉は後半12分、戸田を下げて巻を投入。巻とレイナウドを2トップにした4-4-2にシステム変更し、ゴールを狙った。
 後半17分、FKを巻が頭でゴール前に折り返し、レイナウドが右足ボレーを放ったが、またしてもGK塩田が鋭い反応で防ぐ。同21分にも巻のパスを受けたレイナウドが右足で狙ったが、シュートは枠を捉えきれなかった。
 後半22分には斎藤を下げてMF谷澤達也を投入。右MFの工藤がボランチに下がり、左サイドにいた新居が右サイドに移り、谷澤が左MFに入ると、この交代策がいきなり功を奏す。右サイドに張っていた新居にボールが入ると、絶妙なアーリークロスを送り、レイナウドがダイビングヘッド。これがようやく塩田の牙城を破り、千葉が同点に追いついた。
 その後は10人の影響か、足が止まり、攻守の切り替えが遅くなったF東京を千葉が攻め立てる。後半30分には佐原のクリアミスを拾ったレイナウドが右足でシュートを打つが、塩田がセーブ。守護神の再三の好守など最後まで集中力を切らさなかったF東京が83分間を10人で戦う苦しいゲームで勝ち点1を手にした。

(取材・文 西山紘平)

TOP