beacon

連続得点記録に王手、マルキーニョスは「チームが勝つためにプレーする」

このエントリーをはてなブックマークに追加
[10.1 J1第26節 鹿島2-0大宮 カシマ]

 鹿島アントラーズFWマルキーニョスのゴールラッシュが止まらない。前半21分、MF中後雅喜のFKがGKの手をかすめ、ゴールポストに弾かれると、すかさず右足で押し込み先制点。同37分には右サイドから中後が上げたピンポイントのFKに頭で合わせた。7戦連発となる2ゴールで今季通算得点を20の大台に乗せ、Jリーグ記録となる連続試合得点記録(97~98年に当時横浜FMのFWフリオ・サリナスが記録した8試合連続)も視野に入ってきた。

 01年に来日し、東京V、横浜FM、市原(現千葉)、清水をへて07年に鹿島に加入した。Jリーグ8年目、5クラブを渡り歩いてきたマルキーニョスだが、これまでの1シーズンでの自己最多記録は07年の14得点。それが今季は23試合の出場で、すでに20得点を挙げ、残り7試合でさらに上積みしそうな勢いだ。「正直に言うと、日本で長年プレーしてきたが、20得点が取れてうれしい。日々のつらい練習に耐えてやってきているし、こういう結果が出ていることを光栄に思っている」。20ゴール到達を素直に喜んだが、あと1試合となった連続試合得点記録に対しては「意識していない」と即答した。「一番初めに考えなければならないのは、チームが勝つこと、勝ち点3を取ること、そして優勝すること。チームの結果プラス、私の結果も生まれればうれしいが、まずやるべきことはチームが勝つためにプレーすること」と言い切る。「あと何点取れるか意識してゲームに入ると、体が硬くなって、思うようなプレーができなくなる。ゴールはチームのためにプレーして自然に生まれるものだと思う」と強調した。

 常にフォアザチームの精神を忘れず、チームメイトへの感謝も忘れない。この日の2得点目についても「中後がパーフェクトなボールを上げてくれたことに感謝したい」と言った。ACL敗退後、2試合連続の無失点で2連勝。大分、名古屋などが足踏みする間に、21節終了時点以来、6試合ぶりに首位に返り咲いた。負傷離脱したMF小笠原満男の穴を埋め、この日も2得点を演出する活躍を見せた中後は「チーム全体の守備の意識が高くて、いい形で守備ができていた。中盤がどうというより、チームがまとまって守備ができている」と手応えを口にした。ACL制覇という大きな目標は消えた。しかし、今はJリーグ連覇、そして来年のACL再挑戦という新たな目標に向け、チームが一丸となっている。

(取材・文 西山紘平)

TOP