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浦和vs鹿島 試合後の選手コメント

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[12.5 J1第34節 浦和0-1鹿島 埼玉]

 史上初の3連覇だ!!J1第34節は5日、各地で9試合を行い、埼玉スタジアムでは浦和レッズ鹿島アントラーズが対戦。勝てば3連覇の決まる鹿島は後半21分にFW興梠慎三が先制点を奪うと、そのまま1-0で逃げ切った。この結果、鹿島の優勝が決定。Jリーグ史上初、前人未到の3連覇達成となった。
以下、試合後の選手コメント

<鹿島>
●FW興梠慎三
「本当にホッとしてます。僕たちは勝たないといけなかった。点を取りに行こうと考えていて、ひとりひとりが勝ちたい気持ちを前面に出したことが勝利につながったと思う。スタメンを外れたり、12試合ノーゴールという記録をつくってしまったからこそ、最後の最後に大一番で結果を出せたのだと思う。チームに迷惑をかけてばっかりだった。最後こそは、という強い気持ちでやったからこういう結果が出たんだと思う」
―印象に残っているゴールは?
「今日のゴールもそうだし、ガンバ戦のゴールもそうだけど、自分のゴールより、みんながひとりひとりチームのために頑張ったことの方が大事だと思う」
―W杯の組み合わせが決まったが?
「W杯に出るチームはどこも実力があるし、楽ではない。オランダにしろ、カメルーンにしろ、強いチームだし、やりがいがあると思う。でも、対戦相手より、僕は代表に残れるかどうかの方が大事。生き残れるように頑張りたい。どこのグループに入っても厳しいと思う。一戦一戦大事に勝ち点3を取らないといけないし、初戦が大事になると思う」
―来季に向けては?
「Jリーグで4連覇も当然したいし、アジアでも優勝したい。1つでも多くのタイトルを取れるようにしたい」

●MF小笠原満男
「後半に入ってレッズの中盤にスペースができて、パスが回せるようになった。いい時間帯で点が取れたと思う」
―3連覇となったが?
「いい時期も悪い時期もあったけど、みんなが頑張ったと思う。苦しいときも文句を言わず、助け合ってできた。上手くいかないときは我慢して、みんなで守る。できるときは仕留めに行く。きれいなことじゃないかもしれないけど、その見極めができている。そういうのは口で言っても難しいし、試合をやって覚えるしかない。みんなが感じて、同じイメージを持てている」
―来季に向けては?
「3連覇したら4連覇したくなるチーム。欲のあるチームだから。ナビスコ杯、ACLと、シーズンを通しては悔しい思いをしている。全部のタイトルを取りにいくチームにしたい」
―ケガを乗り越えてのシーズンだったが?
「初めてのリハビリで、今は治った実感があるけど、3回も4回もやってられない。でも、ケガはしょうがないし、怖がったらダメ」
―今日は引いた位置でのプレーが多かった?
「中盤の仕事は守備の安定が第一。攻撃は前に任せてもいいチーム。攻撃が停滞したら前に行くという感じだった」

●MF中田浩二
「向こうが前に出てくるのは分かっていたし、そこで失点ゼロでいければと思っていた。予想通りしのげたので、後半は行けるかなと。後半はうちも中盤で持てるようになったし、(興梠)慎三がいい時間に取ってくれて、向こうが余計に出なくちゃいけなくなったからうちは楽になった。去年はなかなか結果が出せなかった。呼んでもらって復帰したのに、チームは優勝したけど、何の貢献もできなかった。今年もなかなか出場できなかったけど、最後にこうやって貢献できて、いろんな人に恩返しができたかなと思う」

●DF内田篤人
「今年はすごい大変だった。いろいろ上手くいかないときもあったし、ほんとホッとしてます。周りは3連覇という目で見るし、なんとかそれを止めようという気持ちもある。そういう中で決められたのはよかった。ああいうグラウンドでパス回しが上手くいかなくて、ミスもここっていうところで多かった。去年からやることは変わらずやってきた。監督も新しいことは言ってないし、周りだけ」
―監督と抱き合っていたが?
「つらいときに監督に声をかけられて楽になったこともあった。監督に救われた。人にめぐり合う運があるのかな」
―来季に向けては?
「まだ天皇杯がある。今年取れるタイトルはすべて取りたい。全部のタイトルを取ると言って始まったシーズンだし、みんなで気を引き締めてやりたい。ACLとリーグを取るのは難しいし、それはやってみたい」

●DF岩政大樹
「3連覇は個人的には最初で最後のチャンスだとずっと思っていた。それをつかめるかどうか。プレッシャーだった。(3連覇は)この1試合で決まるわけじゃないし、この1年間、この3年間、もっと言えばプロに入ってからの6年間で決まったものだと思う」
―3連覇したことをどう思う?
「すごいと思う。実感はないけど、客観的に見ると、すごいことをやったなと」
―リーグ最少失点だったが?
「3連覇の中で最少失点は初めてだと思う。最少失点にこだわってきたし、結果的に一番少なく終わったのは個人的には一番うれしい記録」
―W杯の組む合わせが決まったが?
「どうしようもないグループじゃない。予想の範囲内。ベスト4に行くためには、倒さないといけない相手。デンマークはアーセナルのベントナーぐらいしか知らないけど、欧州のチームが2チーム入ったのは、自分のスタイル的にアピールしがいがあると思う」

<浦和>
●FW田中達也
「負けてしまったので、鹿島の選手におめでとうと言いたい。自分たちが優勝争いに絡めていない時点でダメ。今年もケガで終わってしまった1年。来年の目標? ケガをしないこと」

●MF鈴木啓太
「チャンスもつくっていたし、そこまで悪いゲームじゃない。ただ、0-1という結果は非常に悔しい。どちらかが主導権を握るという試合でもなくて、お互いがゴール前までいくシーンがあった。来年につながる戦いを1年間積み上げているつもりだし、自分たちのやっているサッカーは鹿島にも引けを取らないと思っている。チャンスもつくっていた。結果は別だけど、チームとして成長した1年だと思うし、次につながるシーズンだったと思っている」

●DF田中マルクス闘莉王
「また情けない試合を見せてしまって、サポーターに申し訳ない。自分たちの前で優勝させるなんてカッコ悪い」
―6位でシーズンを終えたが?
「チームとして戦っていないのが一番の問題」
―試合後、サポーターから闘莉王コールがあったが?
「感謝の気持ちでいっぱい。まだどこに行くかは決まってない。自分はレッズを愛しているし、その気持ちは変わらない。これから話をしていくことになるけど、まだ何も決まっていない」
―来年はW杯もあるが?
「正直、まだW杯なんて考えてない。今年レッズで結果を出せなかったのが悔しいし、申し訳ない」
―鹿島の印象は?
「相手は大人のサッカー。相手の方が(得点の)確率の高いチャンスをつくっていた。サッカーはチャンスの数で争うスポーツじゃない。勝ったか、負けたかで争う。そこが一番大事だと思う」
―移籍先はどうやって決める?
「ひとつ言えるのは自分から出ていくということではなく、レッズが自分を必要としていないということ。“闘莉王が移籍を希望している”という記事が多いけど、レッズは闘莉王を必要としていないということをここで伝えたい」
―必要としてくれたら残ることも考える?
「その考えもある」
―今日が浦和での最後の試合という気持ちだった?
「1年間、レッズにふさわしいサッカーができなかった。サポーターには申し訳ない気持ちでいっぱい」
―W杯の組み合わせが決まったが?
「そんなもんだろうという感じ。“こういうグループだったらいいのに”とか言う方がバカバカしい。僕から言えば、普通。W杯は32チームしか出ないんだから、どこだって強い。弱いチームとやりたいとか考える時点でダメ」

(取材・文 西山紘平)

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