beacon

U-19代表FW宮吉、Jへつながる2発

このエントリーをはてなブックマークに追加

[4.28 練習試合 U-19日本代表候補 3-4 神戸 ホムスタ]

 研ぎ澄まされた得点感覚が一気に爆発した。FW有田光希(神戸)との2トップでスタメン出場を果たしたFW宮吉拓実(京都)は、立ち上がりからバイタルエリアで活発に動き回り、高い位置で起点を作り出すと、0-2で迎えた33分には有田のGKに対するプレスでこぼれてきたボールをダイレクトで蹴りこんだ。

 このシーン、宮吉とゴールとの距離は25mほどで、その間にGKがいた。宮吉はボールを止めることなく、GKの頭上を越すシュートを狙うでもなく、相手GKの足元を破るグラウンダーのシュートを突き刺した。このゴールに彼のシュートセンスと状況判断能力が凝縮されていた。

 そして一度は同点に追いつくゴールも、彼のセンスが凝縮されていた。後半16分、味方GKのキックをセンターサークル手前でMF柴崎岳(青森山田高)とが受けた瞬間、宮吉は一気にCBのギャップへ走りこむ。ワンタッチで前を向いた柴崎からの絶妙なロングパスに、図ったかのように抜け出すと、寄せてきた相手CBから逃げるようなファーストトラップから、ツータッチ目は一気にゴールに向かったコントロールでPA内に侵入すると、GKとの1対1を冷静に沈めた。

「ゴールに向かう姿勢をもっと出していかないといけない」。宮吉はJリーグで出番を得ても、ゴールを奪えない自分に歯がゆさを感じていた(5試合67分間出場1得点)。だからこそ、彼はゴールに飢えていた。この2ゴールは彼のゴールへの飢えがもたらしたものであった。結果は敗れたが、宮吉にとってこの2ゴールは、今後のJリーグにつながる大きなきっかけとなるだろう。

(取材・文 安藤隆人)

TOP