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横浜FM-京都はドロー。俊輔の“アシスト”で逆転も、17歳宮吉の好シュートで同点に

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[5.15 J1第12節 横浜FM2-2京都 ニッパ球]

 W杯前最後のJ1となる第12節が15日に各地で行われ、横浜・ニッパツ三ツ沢球技場では横浜F・マリノス-京都サンガF.C.が対戦した。前半、京都がドゥトラのゴールで先制したが、後半、横浜FMは渡邉千真のPK弾、兵藤慎剛のゴールで勝ち越した。しかし京都は途中出場の17歳FW宮吉拓実が同点弾を決め、結局2-2で引き分けた。

 横浜FMは4-4-2システムを採用。GKは飯倉大樹、DFラインは右から天野貴史、栗原勇蔵、中澤佑二、田中裕介が入った。中盤はボランチが小椋祥平と狩野健太、2列目が中村俊輔と兵藤慎剛、2トップは渡邉千真と山瀬功治が組んだ。

 対する京都は変則の4-3-2-1システムを採用。GKは水谷雄一、DFラインは右から増嶋竜也、水本裕貴、森下俊、中村太亮が入った。中盤の底はトリプルボランチのような形で、右からチエゴ、角田誠、安藤淳、2列目にディエゴとドゥトラ、FWに柳沢敦が入った。前線3選手のポジションは流動的で、常に入れ替わりながら攻めた。

 序盤、横浜FMが俊輔のプレースキックを頼りに主導権を握った。前半2分、約33mの距離で得たFKを俊輔が直接シュート。同7分には俊輔は左CKをPA外にいた天野に出し、右足シュート。綺麗にミートさせたが、DFに防がれてしまった。

 その後、横浜FMは決定機を迎えた。前半11分、右CKを俊輔が直接狙う。これは間一髪でGK水谷がはじき出した。その1分後、俊輔が右PA内を攻略しクロス。これを栗原がファーできっちり叩き込んだが、不運にもGK水谷に当たりノーゴール。GKは反応しきれていなかっただけに、コースが悔やまれた。

 京都は柳沢、ディエゴ、ドゥトラの3人がカウンターを狙う。序盤はうまくはまらなかったが、前半16分にまさに個人技で一点を取った。ドゥトラがPA左をドリブルで突進。パワーたっぷりの仕掛けで天野、栗原、田中の寄せを交わして右足で先制点を奪った。

 その後はサイドを起点に攻める横浜FM。個人技のある前線3選手でカウンターを狙う図式に。前半24分、横浜FMは山瀬が4人に囲まれながらもPA右を仕掛けてシュート。同37分にはPA正面でのパス交換から最後は渡邉が右足でシュート。しかしいずれも決まらない。

 前半40分、ラッキーな形で横浜FMが同点に追いついた。CKの場面で京都DF水本裕貴が競り合いから栗原勇蔵を倒してしまいPKに。これを若きエース渡邉千真がきっちりと決めて1-1の同点にした。前半45分には天野の右クロスに山瀬が抜け出して決めたが、これはオフサイド。1-1のまま前半を折りかえした。

 後半も前半同様、横浜FMがサイドから、京都がカウンターから攻撃を企てた。後半8分、京都は左クロスのこぼれ球をディエゴが拾い最後はドゥトラがシュートしたが、GK飯倉にセーブされた。

 横浜FMが攻め込む中、京都がしっかりとブロックを作って跳ね返した。横浜FMは圧倒的な数のCKを得て、俊輔のキックを生かそうとするが、なかなかうまくいかない。京都は後半22分、安藤に代えて片岡洋介を投入し、中盤の運動量を増やした。

 そんな中、横浜FMがついに逆転に成功する。後半23分、左サイドからのパスを受けた渡邉がPA正面やや右の俊輔につなぎのパス。司令塔は相手に囲まれかけたが、絶妙なトラップでシュート体勢に入り、左足を素早く振り抜いてトゥーキックでシュート。鋭いボールをGK水谷が弾き、これを兵藤慎剛が詰めて左足で逆転弾を決めた。俊輔の技ありシュートがゴールを生んだ。

 横浜FMは後半29分、兵藤に代えて水沼宏太を投入。中盤の運動量を上げ、逃げ切りを図ろうとした。京都はその2分後、チエゴに代えて加藤弘堅を、柳沢に代えて宮吉拓実を投入。これがズバリと当たった。

 後半35分、ドゥトラの強烈ミドルシュートのこぼれ球をゴールエリア左に走りこんでいた宮吉が左足でダイレクトシュート。コースの狭かったニアサイドを打ちに抜いて2-2の同点に追いついた。京都は後半38分、PA右で宮吉の落しから加藤がDFを抜いてシュート。絶好機だったが、左に外してしまった。

 ホームで、それもかつての聖地・三ツ沢での試合で、何とか勝利したい横浜FMは一気に2枚の攻撃のカードを切った。後半41分、山瀬に代えて坂田大輔を、狩野に代えて清水範久を投入。勝ち越しを狙った。

 終盤、横浜FMが押せ押せで攻め込んだが、なかなかゴールがわれない。ロスタイムは4分。横浜FMは栗原も前線に上がりパワープレーを使うが、崩しきれない。ロスタイムも4分が迫ったところで、右サイドで俊輔のクロスを栗原がヘディングシュート。相手に防がれCKへ。ラストプレーでCKを俊輔が蹴り込むが跳ね返され、直後に試合終了。2-2の引き分けに終わった。

(取材・文 近藤安弘)

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