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オランダ遠征中のU-19日本代表、宮市光るもカナダとドロー

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11年U-20W杯(コロンビア)の出場権を懸けたAFC U-19選手権(中国)を今秋に戦うU-19日本代表は現在オランダ遠征(15日~26日)を行っている。18日には親善試合U-19カナダ代表戦を行い、0-0のスコアレスドローに終わった。

 U-19代表の先発は、15日にオランダ入りしたメンバー12人のなかから故障上がりのDF内田達也(G大阪)が外れ、昨日現地に着いたばかりのFW宇佐美貴史(G大阪)を起用。4-4-2でスタートした。

 試合立ち上がりはカナダの褐色のFWにかなりプレッシャーを受ける。早く長いパスを放り込まれ、受け身に立つ日本だったが、藤田息吹(慶應義塾大)、寺岡真弘(関西大)、キローラン木鈴(東京Vユース)、岡本拓也(浦和ユース)のDF4人とダブルボランチを務める山崎直之(東京学芸大)、小島秀仁(前橋育英高)が落ち着いて対処する。特に寺岡とキローランの両CBはあわてず体を寄せて対応し、SBの藤田、岡本もロングボールに的確に対応して決定機を作らせなかった。

 5分過ぎから山崎、小島がボールを拾えるようになる。左MF宮市亮(中京大中京高)と前線の宇佐美に預けて2人にキープさせ、時間的に「タメ」を作れるようになると、DFラインも押し上げて日本ペースへと移行する。特に宮市は積極的に仕掛けて宇佐美、杉本健勇(C大阪U-18)の両FWとパス交換を試み、攻めの形が見えてくる。明らかにカナダDFは宮市に手を焼いていたが、決定的な崩しをするまでには至らない。宇佐美もボールに絡み強引にシュートを打つが得点にはならず、27分で交代。代わってFW山本大貴(駒澤大)が入る。この段階で日本の攻撃はひと休み。宇佐美はキープ力があり、個人的な突破を常に試みていたのでカナダDFは2人で見ることになり、宮市のマークが少し離れたことでいい形を作っていたからだ。それでも前半の終盤、32分、38分と左サイドの宮市からクロスが入るが、精度がなく、中の人数も足りずに得点にはならず。

 後半立ち上がりから山本に代えてFW大崎淳矢(広島)を投入。カナダDFは小柄な大崎の突破に手を焼くが、決定機はなし。右MF堀米勇輝(甲府ユース)がキープする時間が増えるが、微妙にタイミングが合わず、堀米からの展開は速攻にはならない。逆に左の宮市がワイドに開いてボールを受け、中へと切り込むが、放ったシュートは1回。
 後半23分、大崎に代えて松原健(大分U-18)を投入。この交替で宮市をトップに入れて、松原を右サイド、堀米を左サイドにポジションチェンジ。CKからチャンスを作っていくが、長身のFW杉本も高さで勝てず、得点は奪えない。ペースは日本の6:4ながら、後半35分過ぎにDFの中央を通されてGK川浪吾郎(柏)と1対1になるが、ここは川浪が好セーブ。試合を通じて日本のピンチはなかったが、数少ないあぶない場面できっちりと仕事をした。試合後、川浪本人は「当たり前です」と言わんばかりだったが、ここで失点していれば敗戦になっただけにいい仕事であった。

 後半30分には小島を下げて加藤大(新潟)を投入。しかし残り10分で決定的な仕事はできず、試合は0-0のスコアレスドローに終わった。

 以下、試合後の監督、選手コメント。

布啓一郎監督
「立ち上がりにカナダのプレッシャーを受けてしまった。そこから立て直した点は評価できるが、まずは自分たちから相手にプレッシャーをかけるつもりで試合に入るべきだった。自分たちが目指している、組織力、技術力をもってしても得点が取れなかったのは、最終的に相手ゴール前での人数が少ないから。まだまだ最終的なフォローアップも足りないし、フィニッシュに行く選手の人数が足りない。宮市に代表されるようにサイドの崩しはできたが、ゴールは奪えていない。今日の相手は勝たなくてはいけない相手だけに、0-0では不満と言わざるおえない。
ただ、受けて立った入り方を、立て直したのは中盤の山崎と小島の頑張りがあってのこと。DFラインも引かずに高くラインを保ってボールを奪取していた。そこから一気に攻めに転じたときにまだまだフィニッシュに行く選手が少ない。その辺の判断の速さも求めていきたい」

宇佐美貴史
「週末ガンバの試合に出て、湘南戦を終えてから来ました。(今日は)初めから25分と言われていて、その時間で結果を出すのは正直難しかったです。体調はいいですし、オランダのこの気候は最高に気持ちがいいです。スタートの2トップは(杉本)健勇と横関係です。僕自身は健勇が前で僕が下の位置でもいいかな? と思いますが、その辺はまだ話せていません。前にスペースがあるほうが好きですが、ゴールに近いところでプレーできるのも面白いです」

岡本拓也
「レッズで試合に出られていないので、(試合が)久しぶりで楽しかったです。(CBの)キローランとはU-17代表でも一緒でしたから違和感なくできています。DFラインは問題ありません。このチームは年齢に関係なくサッカーができていて、非常に楽しいです」

藤田息吹
「(サイドバックで出場したが)ダラスカップでは最初サイドハーフでしたが、途中からサイドバックをやっています。出場できればどこでもいいです。僕はこのチームで最年長ですが、前にいい選手が大勢いて、やっていて面白いチームです。U-18世代から7人先発ですから頼もしいです」

川浪吾郎
「(前後半でファインセーブが1本ずつあったが?)今日は何もやっていないです。いやほんと、何もやってないです」

<写真>ゴールこそ生まれなかったがサイドから再三にわたってチャンスを作ったMF宮市

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