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フォルラン2発、ウルグアイが20年ぶりの歴史的勝利

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[6.16 W杯グループリーグA組 南アフリカ0-3ウルグアイ ロフタス・バースフェルド]

 ウルグアイが20年ぶりとなるW杯での勝利を飾った。06年大会は南米予選で敗退し、前回出場した02年大会も2分1敗でグループリーグ敗退。98、94年大会も予選落ちだったため、W杯本大会での勝利は90年大会の韓国戦(1-0)以来、実に20年ぶり、7300日ぶりの歴史的勝利だった。

 ブブゼラの大音量も沈黙させた。前半24分、FWディエゴ・フォルランのミドルシュートはDFモコエナの体に当たって軌道が変わり、ゴールマウスへ。運も味方した先制点はホームの大観衆を黙らせ、狙い通りの展開に持ち込んだ。

 組織的な守備には定評のあるウルグアイ。早い時間に先制したことで、あとはリスクを冒さない余裕の試合運びで南アフリカの反撃をかわした。

 後半31分にはゴール前のこぼれ球につめたFWルイス・スアレスがGKクーンのファウルを誘い、PKを獲得。決定機を阻止したクーンは一発退場となった。

 このプレーで獲得したPKをフォルランが決め、後半ロスタイムにはMFアルバロ・ペレイラがダメ押しゴールを奪った。

 「FWならみんな点を取りたいと思うけど、大事なのは勝つことなんだ。僕らはフランス相手にもよく戦ったが、非常にタフな相手で勝つことはできなかった。でも今日は運良く勝つことができた。この勝利は僕らに大きな自信を与えてくれる」。フォルランは胸を張った。

 11日のフランス戦(0-0)では3バックを採用。終盤に退場者を出しながらも10人で守り切った。この日は先発を2人入れ替え、システムも4-3-3に変更。変幻自在のスタイル、最大の武器は相手の長所を消すところにある。

 4バックで相手のサイド攻撃を抑え込み、3人を配置した中盤は南アの攻撃の起点となるMFピーナールにまったく自由を与えなかった。

 オスカル・タバレス監督は「多くのサポーターの声援を受けるホームチームを倒すことは簡単ではない。しかし、我々の守備組織の前に南アフリカはひとつのチャンスもつくれなかったはずだ」と自画自賛。22日の最終戦では強敵・メキシコと対戦するが、「今日の勝利で大きな一歩を踏み出すことができた」とグループリーグ突破に自信を見せていた。

(取材・文 西山紘平)

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