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新監督決まらぬ状況にJ8クラブが代表辞退も

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 日本代表は9月4日にパラグアイ(日産ス)、同7日にグアテマラ(長居)と国際親善試合を行うが、27日に発表が予定されているメンバー選考に関して、J8クラブが招集辞退を検討していると、25日のスポーツ報知が伝えた。

 Jリーグ関係者に取材したようで、これによると辞退を検討し始めているのは鹿島、F東京、川崎F、清水、磐田、G大阪、広島、仙台の8クラブだという。この2試合は日本代表の新監督が決まっていないため、原博実技術委員長が代行監督を務めるが、この状況にクラブ側が選手供給に難色を示した。国際Aマッチの代表招集を8つのクラブが辞退するとなれば、過去に例のない一大事となる。

 クラブ側としては、新監督が決まらない“あいまいな状態”の中で、選手を送り出したくないという思いがある。ある関係者は「新しい監督が指揮を執るなら、協力を惜しまない。しかし、決まっていない状況での親善試合は先につながらないという意見のようです」と明かしたという。

 8日にはナビスコ杯が控えており、「タイトルを取りたいのでベストメンバーで戦いたい」という考えのクラブがあったり、また「夏場の連戦の疲労を取らせてあげたい」とか、「リーグ戦中断期間を使って、チームの建て直しを図りたい」など、さまざまな思惑がある。 

 この問題に関して原委員長は24日の会見で「9月の2試合は国際Aマッチデーなので代表優先。代表の試合で消化試合はあり得ない。次を見据えて、コンディションがいい選手を選ぶことが大事。Jの各クラブには強化担当者にお詫びとこういうことになったので協力してほしいということをすぐに電話する」と説明している。

 たしかに「国際Aマッチデーは代表の活動が優先する」というルールがある。原委員長の言う「代表の試合に消化試合はない」という思いも理解できる。一方で、選手を抱えるクラブ側の言い分もわからなくはない。とはいえ、興行として試合をする以上はファンを喜ばせないといけない。“ジレンマ”はあるのかもしれないが、選手にもファンにも、より意義のある試合になってほしいものだ。

(文 近藤安弘)

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