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柏が痛恨ドロー、次節のJ1復帰決定なし

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 打てども蹴れどもゴールが遠い。シュート数21本対5本。同時刻に行われた試合で千葉が敗れたため、勝てばJ1復帰王手となるところだった首位の柏レイソルだが、ロアッソ熊本に0-0の引き分け。第29節から3試合連続で白星なしとなり、次節のJ1昇格も消えてしまった。

 試合開始から立て続けに攻め込んだ。3バックの布陣を敷いてきた熊本に対し、北嶋秀朗は最終ラインの裏を突き、2列目の大津祐樹田中順也が3バックの両サイドのスペースを使う。林陵平を含めた攻撃陣4人が流動的なポジションを取って相手を撹乱し、チャンスを量産した。

 だが、ゴールが決まらない。1分、北嶋がGKと1対1の場面で右足シュートを外し、3分には田中が左足シュートを外す。

 「いい時間帯に決め切れなかったことが結果につながった。監督にはクリエイティブな動きを求められ、ある程度できていたのだが」。田中が悔やむように、一方的に攻め続けた前半を終えると、後半はさらに守備を固められ、どんどんスペースがなくなっていった。時間の経過とともに細かいミスも増えた。終盤は昨年まで柏に所属した熊本GK南雄太の好セーブにも遭い、ゴールを割ることができなかった。

 前節の大分戦で今季2敗目を喫するなど、ここ3試合で2分1敗。シーズン開幕当初から安定した強さで勝ち点を重ね、10月中にもJ1昇格決定かという流れを作っていたが、このところの足踏みで、3位以内が確定するのは最短で11月7日の第33節FC岐阜戦(柏)となった。

 ただ、選手の表情には追いつめられた焦燥感はない。北嶋が言う。「簡単には昇格できないんだなということ。でも、崩せなかったというのではなく、FWの2人がチャンスで決められなかったことだけ。チームとして間違っていることはない。そこは自信を失わずにいきたい」

 長期離脱していた大津の復帰という好材料もある。今節は出場停止だったレアンドロ・ドミンゲスも次節には戻ってくる。ゲーム内容、選手の力、そして精神面。J1復帰そのものに、死角は見当たらない。

(取材・文 矢内由美子)

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