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[選手権]「全治3ヵ月」鹿島入りの関大一MF梅鉢、試練の冬乗り越える

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 左ひじじん帯断裂――。11年鹿島アントラーズ加入内定の関大一(大阪)MF梅鉢貴秀主将(3年)は左腕をギブスで固定されたまま組み合わせ抽選会場に現れた。

 13日の大阪府大会決勝で負傷。残り5分に相手選手と接触しピッチに倒れた瞬間、じん帯が切れる音が聞こえたという。診断結果は全治3ヵ月。先週末に手術したが走ることもできず、体を動かせるようになるのは12月に入ってからだ。ギブスが外れるのも12月10日前後の予定とのことで、今大会屈指のセンターハーフにとっては試練の冬となっている。

 昨年度は左右両足から繰り出す正確なキック、セットプレーと献身的な動きでチームの勝利に貢献。ただ、無印だった昨年と違い、シードされた今年は間違いなく他校のマークが厳しくなるだろう。特に鹿島入りが発表されている梅鉢へのプレッシャーは強くなるはずだ。怪我以外にも乗り越えなければならないことが多い。
 ただし、その点については梅鉢自身も承知している。「注目されるからといって、今までと違う華麗なプレーをするつもりはない。足元を見つめて、しっかり走ってチームに貢献したい」

 チームメートからの「早く戻って来い」の言葉にはやる思いはある。ただ、現状を劇的に変えることはできない。とにかく限られた時間の中で、一歩一歩地道に調整していくだけだ。そして全国で、マークされた中で再び実力を発揮する。「全国は甘くないということは分かっている。注目されながらやってきて最後に全国に出場できた。昨年は国立で負けたので国立で勝てるように頑張る」。苦しい思いをうちに秘めながら、笑顔で取材陣に対応していた梅鉢。試練を乗り越えて、羽黒(山形)戦から始まる全国大会でもその笑顔を輝かせることができるか。

(取材・文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2010

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