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意外なヘッド弾が決勝点、鹿島・フェリペ「初めてボックス内に入って…」

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[11.28 J1第33節 鹿島2-1京都 カシマ]

 意外性抜群の一撃が決勝点になった。鹿島アントラーズは1-0の前半31分、MF野沢拓也の右CKからMFフェリペ・ガブリエルがニアサイドに飛び込む。176cmと決して長身ではない体を目いっぱい伸ばしたヘディングシュートがゴール左隅に突き刺さった。

 これまでセットプレー時にPA内に入ることはなかった。PA外でこぼれ球を狙うか、カウンターに備える。その役割がこの日、初めて変わった。

 「監督から試合前のミーティングで『セットプレーのときは中に入ろう』と指示を受けた。セットプレーで初めてボックス内に入る機会だったので、そこで点を取ることができてうれしい。監督の信頼、合わせてくれたチームメイトの信頼に感謝したい」

 来日初ゴールを決めた7月17日の川崎F戦(2-1)以来、実に20試合ぶりとなる今季2点目。川崎F戦の初ゴールはこぼれ球を体ごと押し込むという泥臭いゴールで、「初ゴールのイメージとは違っていたけど……」と苦笑いしていた。

 「次はループシュートを決めたい」とも話していたが、この日はこれまた意外なヘディングシュート。ブラジルでは「天使」の愛称で知られた軽やかなプレースタイルとは異なる2ゴールとなったが、それでもうれしくないはずがない。

 来日1年目の今季は「慣れる時間が必要だった」と振り返る。ここまで30試合出場2得点。チームも4連覇を逃した。決して満足できる結果ではない。

 「目標としていたタイトルを取れなかったことが悔しい。残り1試合、天皇杯と、いい形で締めくくりたい。来年は慣れた分、自分らしいプレーができればと思っている」。王者奪還を目指す来季。フェリペが2年目のJリーグで“天使らしさ”を発揮すれば、鹿島が“打倒・名古屋”の一番手となる。

(取材・文 西山紘平)

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