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野沢が決勝FK!!鹿島が最後のタイトル制しACL出場権獲得

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[1.1 天皇杯決勝 鹿島2-1清水 国立]

 鹿島が最後のタイトルを制した。天皇杯は1日、東京・国立競技場で決勝を行い、3大会ぶりの優勝を目指す鹿島アントラーズと、9大会ぶりの優勝で長谷川健太体制悲願の初タイトルを狙う清水エスパルスが対戦。鹿島は前半26分、MF小笠原満男のCKからMFフェリペ・ガブリエルが先制点を決めると、清水も後半14分にFWヨンセンのゴールで追い付いたが、同32分にMF野沢拓也が直接FKを沈め、2-1で競り勝った。3大会ぶりの天皇杯制覇を果たした鹿島は4年連続となるACL出場権も獲得した。

 鹿島は右足負傷のDF岩政大樹が準決勝・F東京戦(延長2-1)に続いて欠場し、MF中田浩二がCBに入り、ボランチでMF青木剛が先発。前線では2戦連続アベックゴール中のFW興梠慎三とFW大迫勇也が2トップを組んだ。
 清水は準決勝・G大阪戦(3-0)で負傷したMF兵働昭弘が欠場し、MF山本真希が先発。その他は準決勝と同じメンバーだった。
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 立ち上がりは鹿島がペースをつかんだ。中盤で主導権を握り、チャンスをつくる。前半10分にはDF市川大祐のパスミスを拾ったMF小笠原満男がゴール前にスルーパス。大迫がスペースに走り込んだが、前に飛び出したGK山本海人が間一髪のところでボールを抑えた。

 鹿島は前半15分にも大迫、MF野沢拓也と細かくパスをつなぎ、PA内でフリーの興梠が右足でフィニッシュ。決定的な形だったが、シュートはGKの正面を突いた。

 清水は攻撃に連動性がなく、単調なロングボールが増え、なかなか前線で起点をつくれない。前半20分、DFボスナーのロングフィードに反応したFW岡崎慎司がワンタッチで前を向き、左サイドを抜け出してクロス。逆サイドから走り込んだ山本真が右足で合わせたが、シュートはミートし切れず、GKがキャッチした。

 清水のチャンスらしいチャンスはこの場面ぐらい。試合の流れ通り、鹿島が先制に成功した。前半26分、小笠原の左CKに合わせたのはMFフェリペ・ガブリエル。ファーサイドで捉えたヘディングシュートがゴール右上に吸い込まれ、鹿島がリードを奪った。

 前半34分にも山本真のミスからピンチを招くなど流れに乗れない清水は同40分、MF本田拓也のスルーパスに反応した山本真がPA内でフェリペに倒されるもファウルはなし。前半は鹿島の1点リードで折り返した。

 後半に入ると、4-4-2にシステムを変更し1点を追う清水が猛攻を仕掛ける。後半3分、DF太田宏介の左クロスから岡崎がヘディングシュートを狙うと、同6分にはFW藤本淳吾の右CKに岡崎が競り合い、こぼれ球をMF小野伸二が左足ボレーを放ったが、ミートし切れず、ゴール上に外れた。

 後半10分にはパスミスからカウンターのピンチを招き、大迫のスルーパスに抜け出したMF野沢拓也が右足でシュート。しかし、ここはGK山本海がビッグセーブを見せ、流れを鹿島に渡さない。

 そして後半14分、ハーフウェーライン付近からの本田のロングフィードにヨンセンが抜け出し、DFラインの背後を取る。GK曽ヶ端準も前に飛び出したが、ヨンセンは右足ワンタッチで絶妙なループシュート。必死に戻る中田のカバーも間に合わず、ボールは無人のゴールへ吸い込まれた。

 1-1の同点に追い付かれた鹿島は後半18分、フェリペに代えてMF本山雅志を投入。大迫が左サイドに回って本山がトップ下に入る4-2-3-1にシステムを変更した。清水も同22分、山本真に代えて今季限りで退団するMF伊東輝悦をピッチに送り込む。伊東と本田のダブルボランチ、右に小野、左に藤本が入る4-4-2で迎え撃った。

 互いに攻め合う一進一退の攻防。勝ち越しに成功したのは鹿島だった。後半32分、ゴールほぼ正面の位置で獲得したFKのチャンス。野沢の右足から放たれたボールは壁の上を越えて落ち、GKの手をかすめてゴールネットを揺らした。野沢の芸術FKが決まり、2-1。鹿島が再びリードした。

 追い込まれた清水は後半37分、小野に代えてFW原一樹を投入。同38分には左クロスに飛び込んだ岡崎が触り、流れてきたボールにヨンセンも詰めたが、シュートはゴール右へ。同42分、本田に代えてFW大前元紀を投入し最後のカードを切るが、反撃及ばず。1-2で敗れ、今季限りで退任する長谷川健太監督の有終の美を飾れなかった。

(取材・文 西山紘平)

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