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[MOM399]関西大一MF梅鉢貴秀(3年)_勝利に導く正確無比の右足

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 羽黒 1-3 関西大一 NACK]

 関西大一を勝利へと導いたのは、鹿島アントラーズ加入内定のMF梅鉢貴秀主将(3年)の右足だった。

 まずは開始37秒。ファーストプレーでFKのチャンスを得ると、精密機械のような右足が羽黒の守備を混乱させた。梅鉢は滞空時間の長い、高いボールをゴールに向かうように蹴ると、ゴール正面に入ったFW井村一貴(3年)の頭にピタリと合わせた。ゴールに飛んでいくボールを蹴ったことで、GKの反応が遅れていた。

 してやったりのゴールだった。「最初のキックオフでマイボールになったら、相手の嫌がるボールを上げようと思っていたので狙い通りだった。滞空時間の長いボールを蹴った」。梅鉢の計算されたプレースキックが一高に先制点をもたらした。

 待望の追加点も梅鉢のセットプレーから生まれた。後半10分、梅鉢がCKを蹴ると、こぼれ球をDF今井亮介(2年)が押し込んだ。

 さらに39分、途中出場のMF徳永雄大(1年)が中央へ折り返すと、ファーに走り込んできた井村が今日2点目となるゴールを左足で決めたが、起点となったのは背番号9の司令塔だった。

 コンディションは万全ではない。11月13日の府大会決勝で左ひじ靭帯断裂の重傷を負い、下された診断は全治3ヵ月。手術を受けて1週間は体を動かすこともできなかった。今日の試合も「恐怖はあった」と明かす。

 それでも得意のプレースキックはさびついていなかった。「若干思い通りにいかなかったし、まずまずだった」と自己採点は辛かったが、蹴ったボールのほとんどがシュートまで結びついていた。昨年は左右両足でセットプレーが蹴れると話題になったが、「今年は左足の練習はしていない」と右足一本に絞って精度を磨いてきた。

 梅鉢は正確無比の右足を武器に「全国制覇」の野望に突き進む。

[写真]関西第一MF梅鉢(写真協力 『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 FBN)
【特設】高校選手権2010

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