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本田圭が香川とトップ下共存宣言。「俺たちはゴールに飢えている」

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 ヨルダン戦から一夜明けたこの日の練習後。本田圭佑(CSKAモスクワ)と香川真司(ドルトムント)が2人でピッチに座り、緊急の“トップ下会談”を開いた。

 「ポジショニングの問題というか距離感。俺と(香川)真司の距離が昨日は遠かったかなという感じがしている。もちろん2人の距離感だけで解決するわけではないけれど、例えば、真司があまりサイドに張り過ぎていても(長友)佑都にしかパスコースがないとか、俺がサイドに行けばゴールから遠くなるとか。とにかく怖さがないと意味がない」
 
 ともに欧州を舞台に戦い、互いに認め合っているサムライたち。身振り手振りを交えての熱弁タイムは数分間に及び、その考えはピタリと重なった。香川も「一番は圭佑との距離が離れていたこと。ポジショニングがかぶるのは、そこからスペースに流れるのでやりにくくはないし、縦の関係でも横の関係でも問題はない。2人の距離が近い方がいい」と同調した。
 
 ザッケローニ監督の選択はトップ下のポジションを本田圭に与え、香川を左サイドに配置するというものだった。しかし、ヨルダン戦ではその形で戦った前半より、トップ下に香川、右サイドに本田圭が位置した後半の方が効果的な崩しができていた。つまり、近い距離感がいいということで一致した後は、流動的なポジションチェンジが効果的だという考えでまとまった。本田が言う。

 「今後は俺と真司だけじゃなくFWも含めた前の選手がポジションチェンジを繰り返しながら自分たちの良さを出していくことが必要。今のままだと、ヨルダン相手でも簡単にやれていない部分もあった。もっと上へいけばもっとポジションチェンジは必要な部分です」

 理想は昨年10月にあったアルゼンチン戦だ。2人の絶妙な距離感から速く細かいパス交換で、強豪を撃破した。

 「真司は俺がいいところを出しやすい選手。俺が一番絡める選手。俺も真司も点を取れなかったことで飢えている。そういう意味では遼一、チュンソンも含めて爆発していければいい」

 2人の若きタレントは、ポジションチェンジという方法論を用いることで“トップ下”での共存を目指していく。

(取材・文 矢内由美子)

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