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ザックが伊野波に3バックを指導。シリア戦展開次第で導入の可能性も

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 全体練習を終え、各選手がそれぞれクールダウンやシュート練習を行っていたときだった。DF伊野波雅彦(鹿島)がアルベルト・ザッケローニ監督に呼ばれた。通訳を介したマンツーマンの3バック教室。ボールを使わず、言葉と身振り手振りだけの指導は約10分間に及んだ。

 3-4-3はザッケローニ監督がもっとも好んで使っている攻撃的なシステムだ。イタリア・セリエA時代の90年代末にウディネーゼで旋風を巻き起こし、ACミランでタイトルをとったときのシステムも3-4-3だった。

 日本代表に3バックのエキスを注入し始めたのは昨年末の大阪合宿からだった。1回2時間×4回という濃厚なレッスン。指揮官は「カタールに行ってからは4バックに戻すが、試合中にどうなるかわからないし、新しいオプションとして試してみようということ。実戦に使うのはタイミングを見てになる。試合の最中に劇的にチームの顔を変えることができるように、3と4の両方を持っていた方がいい」と説明していた。

 これについては伊野波も「3バックを今回試すかどうかはわからないけど、僕は大阪へ行っていないので、そのやり方を教わった。今日の練習ではやっていないけど、選択肢を増やすという意味で、相手のやり方によってや、より攻撃的にいくならそのやり方というメッセージのような気がしています」と話した。

 シリア戦ではいきなりスタートから3バックということはなさそうだが、いずれにせよ次は絶対に勝たねばならない試合。展開によっては途中から3-4-3にシステムを変更することも十分にありえる。ザッケローニ監督が伝家の宝刀を抜くことが試合中にあるか。注目が高まる。
(取材・文 矢内由美子)

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