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"アジアの壁"に苦しむ香川、「アジアの難しさを感じている」

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 背番号10が思わぬ“アジアの壁”に悩まされている。13日のシリア戦で後半20分にベンチへ下がったMF香川真司(ドルトムント)。過去に先発した国際Aマッチ10試合で最速となる途中交代にも、「イージーなミスが多かったし、どこか集中を欠いていたのかなと思う」と納得せざるを得なかった。

 「ここ2試合、納得いくプレーはできていない。圧倒的なパフォーマンスを見せられていないし、ふがいなさを感じている」。シリア戦から一夜明けても香川の表情はさえない。昨年のW杯後に移籍したドルトムントではすでに8得点。ブンデスリーガの前半戦MVPにも選ばれ、大きな期待とともに代表に合流した。

 ところが、9日のヨルダン戦ではGKとの1対1を決め切れず、シリア戦では先制点に絡むプレーを見せたとはいえ、試合全体を通して見れば、どこか物足りなさも残った。トップ下を主戦場とするドルトムントと、主に左サイドでプレーする代表の違いもあるだろう。一方で本人はブンデスリーガとアジア杯の違いに戸惑いも隠さない。

 「ガツガツ来る相手に足元だけでは勝てない。アジアの難しさを感じている。どう戦うのか、自分の中で考えていきたい。これも新たな経験だし、いい経験だと思う」。ある程度スペースのある中で飛び出してボールを受け、そこにドリブル突破も織り交ぜていけるブンデスリーガと違い、中東のチームはスペースを与えてくれない。どうしても足元へのパスが増え、そこには厳しい寄せが来る。

 「主力としてこういう大会に出るのは初めて。自覚を持ってやらないといけないし、プレッシャーとかは考えず、切り替えて、次の試合、次の試合を意識していきたい」。ドイツとはまた違った難しさのあるアジアの戦い。試行錯誤の末に本人が言う「圧倒的なパフォーマンス」を見せられたとき、日本の新10番はもう一皮むけるはずだ。

[写真]練習後、報道陣に囲まれるMF香川真司

(取材・文 西山紘平)

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