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不振の香川を気遣う長友。「迷いがあるのかな」

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Text alert@ドーハ

 DF長友佑都が左サイドの盟友MF香川真司を気遣った。
「みんなが真司に期待していると思うし、真司も期待を感じている。それは話をしていてもわかる。ただ、相手に引かれる中で持ち味を出すのは難しい。後ろから見ていても、すぐにカバーに入られている。警戒されている」

 無名のままドイツにわたり、いきなり8得点。ブンデスリーガの前半戦MVPに選ばれ、FIFAが選定する将来有望な13人のメンバーにも名を連ねた香川の胸中を、長友が代弁した。

 メンタル面に関しても感じとれることがある。

 「迷いがあるのかな。自分自身にも期待しているだろうからね。こんなものじゃないというのはあいつが一番思っている」

 迷いの原因は何か。長友によると、アルベルト・ザッケローニ監督のサッカーは、2列目にもかなりの規律を与えるものだという。

 「岡田さんのときは、前の選手はけっこう自由で、こうしろ、ああしろはなかった。ザッケローニ監督のほうが規律はけっこうある。多いですよ」。つまり香川は戦術との折り合いに苦労しているということだ。

 初戦のヨルダン戦を1-1で引き分けたものの、2戦目のシリア戦は2-1、3戦目のサウジアラビア戦は5-0と、攻撃陣は徐々に調子を上げつつある。そんな中、ザッケローニ戦術から“エース”が取り残されるのはチームとしていいことではない。勝ち進めば勝ち進むほど、香川の力が必要になってくるということは、選手自身が一番わかっている。

 「いろいろ考えちゃっている。もっと躍動して、生き生きとサッカーしてほしい。僕としてはあいつの守備の負担を減らしたい。あいつが少しくらいサボっても守ってやるくらいに思っている」と長友は全面サポートを約束した。

 宿舎では自らが主宰する“体幹教室”に香川を勧誘し、このほど“入会”が決まった。「1人目のメンバー。あいつも体幹の大事さを知ったみたいで、最近ちょこちょこやっている」

 左サイドでのコミュニケーションは徐々に向上してきた。あとは香川の爆発の時を待つばかりだ。

[写真]MF香川真司はここまで本来の力を発揮できていない

(取材・文 矢内由美子)

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