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「勝負を決するのは個の力」、本田圭がカタール戦へ全開宣言

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 日本代表は19日、カタールのドーハ市内で非公開練習を行い、21日の準々決勝・カタール戦へ調整した。左足首捻挫で17日のサウジアラビア戦(5-0)を欠場したMF本田圭佑(CSKAモスクワ)は練習後に報道陣の取材に応じ、完全復活を宣言した。

 「普通に参加してやっているし、問題ない。きっちり準備して結果を出したい」。負けたら終わりのトーナメント。しかも相手は開催国のカタール。気合いが入らないわけがない。

 「いい試合になると思うし、会場自体も盛り上がると思う。雰囲気を含めて自分たちのモチベーションに変えられたら。緊張感の中でやっていくことで、1試合1試合チームは成長できるし、自分自身もそう。楽しみですね」。そう言って不敵に笑った。

 ベンチで見守ったサウジアラビア戦には必ずしも納得していない。チームは大量5得点を挙げたが、「あくまで得点は結果。それまでの過程が大事だし、ボールのつなぎ方、後ろからの運び方の精度、選手1人1人の動き方が課題だけど、あれだけサウジ相手にできたら課題かどうかも分からない。サウジが強ければ分かったけど」と、あえて厳しい言葉を投げかけた。

 その上で「個の力」の重要性を強調した。「あくまで日本の良さがあるという前提の話」と前置きした上で、「個で打開できるかどうかが今後、日本が強くなっていく上で重要な要素。僕だけでなく、前線の選手はみんな個で打開することにこだわる必要がある」と力説した。

 「(アジア杯は)グループリーグを突破して当たり前という雰囲気がある。W杯は1勝しただけでチームの雰囲気がよくなったけど、(W杯とは)プレッシャーの種類が違う」。本田圭の言葉通り、結果だけ見れば、ここまでは至極順当だ。開催国のカタール、さらには韓国やオーストラリアと対戦する可能性のある決勝トーナメントからが本当の勝負となる。

 「まずはチーム力ありきなので、そこで圧倒できれば、それに越したことはない。ただ、勝負を決するのは個だったりする。だれかが打開して、何とか次につなげたい」。グループリーグと同じようにはいかない。拮抗した試合展開の中で最後に勝負を決める個の力。それなくして2大会ぶりのアジア王者奪還はあり得ない。

 「課題はたくさんあるけど、このチームはもっとやれると思う。いいところを出していければ、優勝というものも見えてくる」。そう言って、力強く「優勝」の2文字を口にした。チーム戦術の枠組みを越えた個の力。自らがその先陣を切り、ザックジャパンをアジアの頂点へ導く。

[写真]練習後、報道陣の取材に応じるMF本田圭佑

(取材・文 西山紘平)

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