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"天敵"と完全アウェーも、ザック「サッカーに過去は関係ない」「ピッチ上は11人対11人」

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 日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督が20日、21日のアジア杯準々決勝・カタール戦に向け、公式記者会見を行った。ホームの大観衆から後押しを受ける開催国との対戦。これまでのグループリーグ3試合とまったく異なる難しい一戦になるのは間違いない。それでも指揮官は「完全アウェーの経験を積むことも、我々が成長するためには必要なこと」と、ホスト国との対戦をチームが成長するための良い機会と位置付けた。

 「サッカーに関わっている人間であれば、1つのチームがホームでやれば、もう一方のチームがアウェーになるのはよく知っている。今回の状況もそれと同じで、特に変わったことはない。ベテランや国際経験のある選手は慣れている。国際経験の少ない選手には気を付けるように言おうとも思っているが、ピッチ上は11人対11人。我々のサッカーをするだけだ」

 大会が進むにつれ、試合を重ねるごとに成長するチームに手応えを感じている。「私の手元にいる選手たちはいいグループになってきている。私は選手を信頼している」。グループリーグ最終戦では、出場停止やケガ人を抱えながらサウジアラビアを5-0で圧倒。若きチームは選手層の厚みを増し、一丸となっている。

 一方のカタールは、起用法をめぐってFWフセイン・ヤセルがブルーノ・メツ監督と衝突し、チームから追放される“内紛”も起きた。「他の監督が下した決断に干渉するつもりはない。私にもそういう経験があるし、この時点で追放したということは日本戦で必要ないと判断したからだろう」。報道陣からの質問にも淡々と応じた。

 日本は過去の対戦でカタールに1勝4分2敗と負け越している。07年のアジア杯でもグループリーグで対戦したが、終了間際にFWセバスチャン・キンタナに直接FKを決められ、1-1の引き分け。南アフリカW杯アジア最終予選でも同組になり、08年11月のアウェー戦は3-0で快勝し、初勝利を挙げたが、09年6月のホーム戦は1-1ドローだった。しかし、ザッケローニ監督は過去のデータは参考にならないと一蹴する。

 「サッカーに過去は関係ない。今が大切だと、サッカーを通じて学んできた。今大会のカタールの試合は見ているが、過去の日本戦は見ていない。選手は変わるし、選手が変われば、当然チームも変わる。試合でどちらにボールが転ぶかで結果は変わってくるし、過去は重視していない」

 相手を意識しすぎることなく、自分たちのサッカーに集中する。それができれば、勝利をつかめるという確固たる自信がある。「相手云々ではなく、自分たちを主体に考える。日本がやるべきサッカーを明日の試合でも出したい。相手の特徴によって多少の修正はするが、自分たちのサッカーをすることは、相手がカタールでも、韓国でもオーストラリアでもイランでも変わらない」。開催国撃破で勢いに乗り、日本らしいサッカーで一気にアジアの頂点へ駆け上がる。

[写真]公式会見に臨むザッケローニ監督

(取材・文 西山紘平)

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