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おいしいとこ取り?本田圭「俺にターンが来るのを待っている」

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 激闘から一夜明けた22日、日本代表はドーハ市内で練習を行った。21日の準々決勝・カタール戦(3-2)で負傷したMF遠藤保仁、DF吉田麻也は大事を取って別メニュー調整となったが、残る先発組9人はクールダウン中心の軽めのメニューをこなし、控え組はミニゲームなどで汗を流した。

 カタール戦で2試合ぶりに復帰したMF本田圭佑(CSKAモスクワ)はトップ下で先発し、吉田の退場後は1トップを務め、攻撃の起点となった。MF香川真司の2得点はいずれも本田圭の縦パスから。自身が欠場した17日のサウジアラビア戦後は5-0の大勝にも「得点パターンがあまりに少ない。ほとんどセンタリングだった」と話していたが、カタール戦の3得点はいずれも中央から崩した形だった。

 これには「逆に中の崩しばかりだった」と苦笑い。「センタリングが少なかったとは思う。もっと俺やMFがサイドにぶつけたり、中を攻めたり、使い分けがあったらもっと簡単に勝てた」と反省の言葉も口にした。

 10人で逆転した劇的勝利に手応えは感じている。しかし、準決勝以降を見据えると、満足するわけにはいかなかった。「どの試合でもそうだけど、後半が課題。なんであんなにつなげなくなるのか。ボールを回せないからディフェンスで体力を奪われて攻撃に行けていない。どこでたたみかけるのか。プレスに行くのか、落ち着くのか。イメージを共有できていない」。あえて厳しい口調で言った。

 試合を重ねるごとにさまざまな経験を積み、1つ1つ階段を上っている。ヨルダン戦(1-1)の吉田、サウジ戦のFW岡崎慎司、FW前田遼一、そしてカタール戦の香川、DF伊野波雅彦と“日替わり”でヒーローも誕生している。

 4試合を終え、ここまで出場機会がないのは第3GKの権田修一と大会直前に緊急招集されたDF森脇良太の2人だけ。離脱したMF松井大輔を含め、21人が試合に出場し、まさに総力戦で4大会連続の4強進出を決めた。

 攻撃陣は3得点の岡崎を筆頭に、前田と香川も2得点を挙げている。一方の本田圭はシリア戦のPKによる1点のみ。「まだ俺のパワー不足で点が取れてないのかな」。得点に絡んでいるとはいえ、自分自身が流れの中で決め切れていないことに納得はできていない。

 一方で、いずれ決まるのではないかという予感もある。「今は我慢して、周りのみんなが点を取ってくれているから。そのうち俺にターンが来てくれたら。どこかのタイミングで俺が点を取るのを待っている」。25日の準決勝、そして29日の決勝へ。楽しみはあとに取っておき、最後の“おいしい”ゴールを自ら決めるつもりだ。

[写真]練習後、FW岡崎慎司とじゃれ合うMF本田圭佑

(取材・文 西山紘平)

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