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[PSM]F東京19歳SB阿部、アシストで開幕スタメンをアピール

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[2.27 ハンプティーダンプティースペシャルマッチ 草津1-1FC東京 正田スタ]
 FC東京の19歳DF阿部巧が開幕スタメン(3月5日・鳥栖)に向けてアピールに成功した。左サイドバックで先発し1-1で迎えた前半45分、左サイドで絶妙なクロスを入れてFW平山相太の同点弾をアシストした。下部組織出身の2年目は「中に3人くらい走り込んでくれたので、いいボールを上げないといけないと思った。個人的にはアシストをしたいと思っていたので良かったです」とほっとした表情を浮かべた。
 1年目の昨年はシーズン途中に横浜FCに移籍。リーグ戦16試合に出場し1得点の成績を残した。「ポジショニングとか、状況に応じたプレーを学んだ。去年の今頃はまったくできていなかった。すごく(横浜FCに)行った意味があったと思う」と本人が明かした通り、持ち前の才能に経験が加わって、プレーに自信も生まれたという。F東京に復帰して向かえた今季、左足のキックの精度向上やフィジカルなど努力を重ねた。短期間で成長を遂げ、今季初のプレシーズンマッチとなったこの日の草津戦で先発をつかんだ。そして得意の左足で結果を残した。
「きょうは失点は0にして、個人的にはアシストできればと思っていた。アシストできた点は良かったけど、失点をしてしまった。そこは修正していきたい」と開幕に向けて課題を口にした阿部。SBには、この日は途中出場だったが、ユースの先輩でもある椋原健太や中村北斗もおりレギュラー争いは激しい。今季は昨年はボランチだった元日本代表の徳永悠平が右SBに専念する方針で、余計に競争が激しくなっているが、阿部は数少ない左利きの“本職左SB”として期待されている。可能性はなくはない。
 何により“J2の経験”という貴重な財産がある。「ピッチが悪くてやりにくかった? 大丈夫でした。去年やってますから、こういうピッチで。J2のピッチは(会場によって)芝が長かったり、短かったり、統一されていないことが多い。どういうのかは知っています」。この日、正田醤油スタジアム群馬のピッチはところどころ芝がはげ、最悪のコンディションだった。J2はJ1の会場と比べると芝の状態が悪いピッチが多い。阿部は昨年の横浜FCで、それをすでに体感。あせったり、戸惑ったりすることはない。
「開幕スタメンは特には意識していません。目の前の練習を100パーセントでこなして、開幕を迎えるだけです」と阿部は控えめだが、19歳の前途は可能性で満ちている。ユース時代から備えていた運動量と積極性、そして左足のクロスを武器に、開幕スタメンを虎視眈々と狙う。
(取材・文 近藤安弘)

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