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カズ、目標は優勝!44歳で迎える今季に「自信はありますし楽しみです」

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 横浜FCの元日本代表FW三浦知良が28日、用具契約を結んでいるプーマ社とともに自身がプロデュースしたアパレルコレクション「KING KAZU COLLECTION」の発売を記念して、東京・渋谷のダイニングアンドバー・ エスタディオ渋谷店でトークイベントを行った(詳細はコチラ)。先日2月26日に44歳を迎え2011年はプロ26年目を迎えるカズだが、イベントでは商品のPRだけでなく、今季の意気込みなど様々な思いを語った。

以下、一問一答
※質問者は司会者

-自主トレの重要性は?
「やはり、チームに合流してからは自分のやりたいことだけをやってればいいわけじゃない。チームのメニューが当然、ある。チームの中には僕よりもふた回り以上、若い選手がいるわけで、そういう選手と走るにしてもサッカーのゲームをするにしても、体が強くなければ、そのトレーニングを乗り越えられない。自分自身が(チームで)良いトレーニングができるように自主トレで良い準備をしないと。自分の足りないところを中心に自分でメニューを考えて、自分の一番足りないところを自主トレで練習しないといけない。シーズンが始まる前のチームのキャンプに向けてとても大事なこと。そこがないと、シーズンを12月までできないんじゃないかな。(自主トレは)それくらい重要です」

-今年で44歳になられました。(イベントではケーキが用意され、誕生日をお祝いされた)。どういう1年にしたいですか?
「44歳? まだまだですね。ただただ試合に出て、たくさんの勝利を味わいたい。サッカーで良いプレーをして、まだまだいけるぞ、という感じになりたいですね」

-現役にこだわる理由はなんでしょうか?カズさんを奮い立たせる原動力は?
「やっぱりサッカーが楽しい。年齢に関係なく、さっきも言いましたけど、ふた回り以上も下の選手と同じピッチで戦える。その喜びがある。そして試合に出たとき、自分の理想のプレー、良いプレーができたときの充実感が味わえる。いまでもプロとして戦える、プロとして良いプレーができるという自信、そこにこだわってますし、ピッチに立ってプレーできる、そういう喜びがあるので。練習はきついですけど、つらいとは思わないです。きついはきついですけど、つらいとかそういうのはない。逆にピッチに立つ喜びのほうが大きい。その気持ちのほうが大きいので、まだまだやれるかなと思います」

-カズさんといえばやはりゴールへの探究心。ゴールはやはり快感ですか?
「どうしてもストライカーとしてのイメージが強いし、自分でもゴールというものにこだわらないといけないけど、サッカーというのはゴールだけじゃないんでね。ゴールは周りのお膳立て、チームメートがいてFWとして点が取れることのほうが多い。個人で取れるというのは、今のサッカーではとても難しいこと。自分も周りを生かして、一番大事なことはクオリティの高いプレーを常にし続けること。ゴールだけじゃなくてボールを止めることでありパスであり、一つ一つのプレーにこだわってやることのほうが大事だな思う。でも、それと同時にエンターテイメントではないけど、ゴールを挙げたときのスタジアムの雰囲気は、言葉でどう表現していいのかわからないくらい素晴らしい。そのゴールで勝ったときの充実さもある。自分自身もそうだけど、ファンの人の(喜ぶ)顔とか、ほんとに素晴らしい瞬間。サッカーって素晴らしいと思うし、ゴールって素晴らしいんだなと思う。そういうゴールを挙げるためにも、一つ一つのパスだったりトラップだったり、ドリブルだったりをこだわって、クオリティの高いものを出していかないといけない」

-ほかのチームのサポーターにとっても、カズさんのゴールは格別です。
「その辺はね……。サッカー選手というのは、敵地にいってブーイングを浴びることも一つのステイタスですからね。ぼくのゴールで違うチームのサポーターも喜んでくれるのは、複雑な気持ちでもある。これでいいのかなとね。(サポーターのブーイングは)どこかで自分に対してプレッシャーを与えてくれる。褒めてくれる、喜んでくれるだけじゃなく、厳しいことを言われることも大切。それが成長につながるんで。(他クラブのサポーターに喜ばれるのは)ちょっとプロとしてはどうなのかなと思うんですけど、まあこれも長くやってきて良かったことの一つなのかなとも思います」

-開幕まであと1週間。今年は練習試合でも好調のようで、開幕スタメンも気になります。今季に懸ける思いは?
「毎年、懸ける思いは同じなんですけど、チームも大きな目標、優勝を掲げている。優勝は力だけではできません。いろんな細かいことすべてがかみ合わないと、なかなか優勝できない。そこに向かっていくというのは本当に大変だと思いますし、そういう意味では毎日が大事。開幕まで1週間をきったけど、ここまで良い準備ができてるんでね。もちろん開幕もそうだけど、開幕から12月まで試合が続く。38試合あるんで、そのなかで自分がどれだけできるか、自分自身が楽しみですね。ほんとに12月にはね、今年のシーズンは良かったねと、できるようにしたいなと思います」

-キャプテンとして見てチームの手応え、また仕上がり具合は?
「毎年ね、どこのクラブもそうですけど、サッカーの場合(メンバーの)入れ替わりが激しい。横浜FCもかなりメンバーが変わった。新しいメンバーが10人近く入った。ずっとキャンプもやってきたけど、完全なコミュニケーションだったり、チームワークはまだまだ。シーズンが始まって、最初も大事なんですけど、チーム力はどんどん上積みになるのがいい。まだ足りないところはあるけど、メンバーはそろっている」

-ここからの1週間、どうやって気持ちを高めていきますか?
「あまり今から高めると疲れるてしまうから。一番良いのは、グラウンドで集中して自分のやれること、やらなきゃいけないことをきちんとして、グラウンドを離れたときは、できるだけリラックスして、へんなプレッシャーを自分に与えないようにしたい。リラックスして頭の中をクリアにすることが大事なんで。考えすぎて高まりすぎると、逆に体が硬くなってしまう。まだ今はリラックスしている感じ。そんな感じでいいんじゃないかなって思います」

-気持ちのゆとりが大事ということですね。
「20代のころはすべての試合に何日も前から入り込んで、前日にピリピリしていることがあった。32、3歳をすぎてから調整の仕方も変わって、どんどんどんどん無駄が省けて、グラウンドに本当にリラックスした気持ちで入れるようになった。そのほうがいいですね。今年はいつもよりも練習量や、怪我の持病もね、これだけやってますから悪い箇所はあるんですけど、順調にきてますからね。自分自身も自信はありますし、楽しみです」

-最後にファンへメッセージをお願いします。
「いよいよ2011年の開幕を迎えます。みなさんも時間が許されるとき、ぜひ、スタジアムに応援に来てほしい。そこでまたゴールにしても、勝利にしてもそうですけど、みんなで喜び合えたらいいなと思います。スタジアムの雰囲気というのは、テレビでは味わえないライブなもの。ぜひ、見に来てほしい」


[写真]44歳をお祝いされ、ケーキのろうそくを消そうとするカズ。キングは今年も健在だ!

(構成 近藤安弘)

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