beacon

松井が提案「チーム海外組」でニッポン復興を支援へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

Text alert@キンチョウ

 優勝した1月のアジア杯で若いメンバーを引き締め、チームの団結に大きな役割を果たしていたFW松井大輔(グルノーブル)が、海外組で力を合わせて日本復興を支援していこうと、自身が音頭を取って支援グループを組織していく意向を明らかにした。

 「被災地の方にできる限り支援をしないといけないという使命がある。サッカーを通じてこういう活動をできるなら積極的にやっていくし、それが与えられた使命だと思う」と話す松井は、海外組の中でいち早く20日に帰国。実家のある京都でトレーニングを行いつつ、京都サンガの募金活動に飛び入り参加したり、被災地から避難してきた子どもたちとサッカーで触れ合ったりと、積極的な活動をしている。

 「何より子どもが大事。子どもは宝なので、サッカーを通じて心のケアなどもしていきたい。ヨーロッパの日本選手には僕が話をしながら、海外組として何かの支援をやっていこうと思っている」

 29歳。欧州組最年長としてリーダーシップを発揮していく決意だ。

 発電量に占める原子力発電の割合が世界でもっとも高く(80%)、反原子発電力の動きも盛んなフランスでプレーしているだけに、今回の帰国については身近な友人から反対を受けたという。

「フランスではみんなが放射能の話に関心を持っている。(原子炉が)僕の家の近くにも高速道路の隣にもあるし、その近くで働いている日本人の方もいる。(フランス人の)放射能に関する知識は多いと思う。日本のことを受けて、フランスでは一斉に安全確認をしていたし、世界各国が注目している。友達の中には〝行かないで〟という人もいたし、〝何で行くの?〟という人もいたが、僕は帰ることで何かをできればと思って帰って来た」

 アジア杯ではグループリーグ第2戦シリア戦後に右太腿四頭筋肉離れが発覚して無念の途中離脱となり、優勝の瞬間はその場にいることができなかった。だが、初戦ドローで崖っぷちに立たされたチームをピッチ内外で引っ張り、蘇生させた陰の貢献の大きさは誰もが認めるところ。親分肌・松井がチャリティーマッチでもチームを一つにまとめ上げる。
(取材・文 矢内由美子)

TOP