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3-4-3のテストを明言、ザック「26人全員を使う」

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 日本代表は28日、試合会場の長居スタジアムで公式練習を行い、「東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチ がんばろうニッポン!」(29日、長居)に向け、最終調整した。右足首痛のMF本田拓也は練習に参加しなかったが、前日27日まで風邪で静養していたDF長友佑都が合流。胃腸炎から復帰したFW岡崎慎司とともにフルメニューを消化した。

 今合宿で一貫してテストしたのが3-4-3の新システム。前日練習の最後に行った11対11のミニゲームも基本的な並びは3-4-3だった。さらにアルベルト・ザッケローニ監督は練習後にGK川島永嗣と3バックに入る可能性のあるDF陣6人、中盤の両サイドで練習を行った4人の計11人を集め、直接指導。DF槙野智章は「(練習で)3バックをせっかくやってきたんだから試したいと話していた。3-4-3のシステムの良さを引き出そうという話だった」と明かした。

 ザッケローニ監督は「3-4-3はこの合宿で試しているが、意味合いとしてはバリエーションを持つ、オプションを持つということでやっている。明日の試合でも、最初からか途中からか分からないが、試してみようと思っている」と明言。先発はこれまでの4-2-3-1となる可能性も残すが、どこかのタイミングで3-4-3を初めて実戦でテストする可能性が濃厚となった。

 さらに「明日の最大の目的は結果ではないので、26人全員を使う。当然、明日の試合展開を見ないと分からないが、最低でも1人30分ぐらいプレーしてもらいたいと思っている」と、招集した26人全員を起用する考えを明かした。

 長友と岡崎はこの日から練習に合流したばかりで、本田拓は27日から別メニュー調整が続いている。指揮官は長友と岡崎について「明日チェックして使うかどうか決めたいと思うが、少しでもやってもらえればと思っている」と、時間限定でもピッチに送り出したい意向。本田拓についても「他にも練習機会がなかった選手がいるので、それを踏まえて確認していきたい」と、最後まで起用の可能性を探るつもりだ。

「明日の試合はこれまでと違って、結果重視というよりも、被災者の方たちとともに何かできればということの方が大きい。代表チームとサッカー界全体とサポーターの皆様と一丸となって、復興に向けて何かできればという気持ちでいる。我々の活動で復興できるという気持ちではないが、この一歩を踏み出すことで何かの力になれればいい」

 チャリティーマッチの持つ意義をそう力説したザッケローニ監督。「このスタジアムに足を運んでくれた方に限らず、テレビ越しで関心を抱いてくれる人がたくさんいると思う」。日本代表、Jリーグ選抜合わせ、総勢46人の日本を代表する選手たちが一堂に集結。日本サッカー界が一つになり、被災地のみならず、日本全国、そして世界中へメッセージを発信する。

[写真]練習後に守備陣を集めて指示を出すザッケローニ監督

(取材・文 西山紘平)

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