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圧巻の1得点2アシスト、野沢が全得点を演出

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[4.13 ACL第6節 シドニーFC0-3鹿島 シドニー]

 鹿島アントラーズのMF野沢拓也が圧巻のパフォーマンスでチームを今季公式戦初勝利に導いた。先制点を含む1得点2アシスト。全得点を演出するまさに“王様”だった。

 先制点は野沢の縦パスから始まった。PA内左サイドで野沢からパスを受けたFW興梠慎三が鋭く縦に仕掛け、ゴール前に折り返すと、MFフェリペ・ガブリエルが左足でシュート。一度はGKに弾かれたが、詰めていたのが野沢だ。パスを出した直後、猛然とゴール前に走り込み、こぼれ球を右足で蹴り込んだ。

 後半6分にもカウンターから正確な右クロスでフェリペのヘディングシュートをアシスト。ロスタイムには中央でフェリペから横パスを受け、スペースに走り込んだ興梠に絶妙なスルーパスを送り、ダメ押しゴールをアシストした。

 被災地に勇気を届ける快勝劇だった。東日本大震災の影響で本拠地であるカシマスタジアムやクラブハウスも被害を受け、チームは一時、活動休止を余儀なくされた。リーグ再開後も当面は東京・国立競技場をホームスタジアムとして使用することが決まっている。ACLも変則日程となり、前半戦の3試合はいずれもアウェーゲーム。さまざまな厳しい状況の中、野沢は「(震災による暗いニュースを)打ち消すくらいの力をアントラーズは持っている。茨城県全体で助け合っていきたい。(アントラーズが)優勝することが『みんなで頑張れた』という形になる」と強い決意を口にしていた。

 PK負けを喫した富士ゼロックススーパー杯後、リーグ戦、ACLと3試合連続のドロー。今季公式戦4試合を戦って、いまだ勝利のなかったチームに待望の初白星をもたらした。これでACLは各チームが3試合を消化し、1勝2分で勝ち点を5に伸ばした鹿島は首位・水原三星(韓国)に勝ち点で並んだ。次節19日の水原との直接対決を含め、残り3試合はいずれもホーム(国立)。悲願のアジア制覇へ、まずは第一関門を突破した。

[写真]1得点2アシストでチームを勝利に導いたMF野沢拓也

(文 西山紘平)

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