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田代同点弾も鹿島は引き分けで首位奪取ならず

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[4.19 ACL第4節 鹿島1-1水原三星 国立]

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)は19日、グループリーグ第4節を行い、H組の鹿島アントラーズは東京・国立競技場で水原三星(韓国)と対戦した。鹿島にとって、東日本大震災後、初の国内での公式戦。勝ち点5で並ぶ首位攻防戦は後半3分に水原が韓国代表MFヨム・ギフンの直接FKで先制したが、鹿島も同9分にFW田代有三のゴールで追い付き、1-1で引き分けた。勝ち点、直接対決の成績で並んだ両チームは得失点差で上回る水原が首位を守り、鹿島の首位奪取はならなかった。

 鹿島は13日のシドニーFC戦(3-0)で先発したFWカルロンがベンチ外となり、FW田代有三が3月2日の上海申花戦以来、公式戦4試合ぶりに先発した。
 水原は6日のホーム鹿島戦(1-1)で採用した4-3-3ではなく、5-4-1のシステム。敵地での一戦に守備的な布陣で臨んだ。
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 鹿島の2トップにDFオ・ボムソク、DFカク・ヒジュがマンツーマンでマークに付き、DFファン・ジェウォンをスイーパーで余らせる水原は両サイドも低い位置を取る5バックで守りを固めてきた。鹿島はボール支配率を高め、相手陣内に攻め込むものの、最後のところで体を張る水原守備陣を攻めあぐねた。

 粘り強く攻撃を繰り返す鹿島は前半26分、FW興梠慎三のポストプレーからMF野沢拓也が左足でミドルシュートを放つ。ようやくいい形の攻撃を見せると、同28分にはMF小笠原満男の正確なサイドチェンジを受けたDFアレックスが左サイドからマイナスに折り返し、MFフェリペ・ガブリエルがシュート。しかし、いずれもゴールの枠を捉えられなかった。

 水原は前半29分にFWチェ・ソングッが負傷交代するアクシデント。代わってMFパク・チョンジンがピッチに入り、FWハ・テギュンが右サイドから中央にポジションを移した。この交代後、逆に攻撃でチャンスをつくり、前半43分にはパク・チョンジンからMFイ・ヨンレとつなぎ、ハ・テギュンがミドルシュート。同44分にもMFヨム・ギフンが左足ミドルでゴールを狙った。

 互いに遠めからのシュートが目立ち、フィニッシュの精度を欠いた両チーム。0-0で前半を折り返すと、鹿島は後半開始からフェリペに代えてMF遠藤康を投入した。

 後半立ち上がりの3分に試合は動く。水原は右45度の位置でFKを獲得。ヨム・ギフンが左足で直接狙ったボールは壁を越えてゴール右上隅へ。GK曽ヶ端準が一歩も動けない芸術FKで水原が先制した。

 しかし、鹿島もすぐに同点に追い付いた。6分後の後半9分、右サイドからの野沢のFKにファーサイドの遠藤が角度のない位置からシュート。DFに当たったこぼれ球を田代が左足で蹴り込み、試合を振り出しに戻した。

 値千金の同点弾を決めた田代だったが、後半13分に後方からファウルを受けた際に負傷。そのまま担架に乗せられてピッチをあとにし、MF本山雅志との交代を余儀なくされた。

 本山がトップ下に入る4-2-3-1にシステムを変更した鹿島は中盤での小気味いいパスワークからチャンスをつくる。後半17分、本山、野沢とつないで逆サイドに展開。左サイドをオーバーラップしたDF新井場徹の折り返しにフリーの野沢が右足で合わせたが、シュートは浮いてしまう。同19分には野沢のスルーパスからMF青木剛が前線に飛び出し、左足でシュート。しかし、これもゴール右にそれた。

 いい時間帯で勝ち越しゴールを奪えず、試合は徐々にこう着状態へ。鹿島は後半34分、新井場に代えてMF増田誓志を投入し、最後のカードを切る。増田はそのまま右SBに入り、最後までホームで勝ち点3を狙ったが、水原の粘り強い守備に阻まれ、試合は1-1のまま終了した。

(取材・文 西山紘平)

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