beacon

柏・田中がJ1初ゴール。「順也が思った以上に賢くなった」と北嶋が絶賛

このエントリーをはてなブックマークに追加

[4.29 J1第8節 柏2-1甲府 柏]

 柏レイソルのFW田中順也が、甲府戦でJ1初ゴールを決めた。0-1の後半14分、DF酒井宏樹の右クロスに鋭く反応。ニアサイドで頭を合わせてゴール左に突き刺した。記念すべきJ1初ゴールが、逆転劇の狼煙となる貴重な同点弾となった。

「チームが前半で負けていたので、何とか自分のゴールで追い付きたいと思っていた。前半、惜しいチャンスで決められなかったので、決めたかった。J1初ゴール? 特別指定(2009年、順大)のときにも出ていて、きょうで12試合目になるんですけど、早く決めたいと思っていたので良かった。でも、何よりチームが勝てて、それに貢献できたことが嬉しい」

 順大時代の2009年に特別指定選手として柏に加入。当時はJ1で9試合に出場したが、無得点に終わった。チームもJ2に降格。プロの壁を痛感した1年となったが、大きく成長してJ1の舞台に帰ってきた。昨年はJ2で24試合(得点は6)を経験。今季はFWとしてレギュラーをつかみ、開幕から3戦フル出場を果たしている。

 着実に成長している。大先輩からのお墨付きも得られた。この日、後半から2トップのコンビを組んだ北嶋は証言する。「順也が思った以上に賢くなった。驚きました。頭を使ったプレーができるようになった。去年とかは、がむしゃらなプレーでごまかしていたけど、頭を使ってポジションを取るようになっていた。やりやすかったですね。同じ感性でスペースを取りあえた」。持ち前のフィジカルの強さやスピードに“考えて走る力”が身に付いた。

 それは、この日のヘディング弾にも表れていた。うまくニアのスペースに入って決めたものだが、田中は「酒井ならファーよりも、ニアに速いボールが来ると思った。あいつは速いボールをニアに入れてくることが多い。それに相手のDFも足が止まっていたので(ニアに走ればDFがついてこれない)」と瞬時に分析して判断したことを明かした。

 動きの質が向上した理由としては、昨年にサイドMFを経験したことが大きいという。「昨年の経験が凄く生きている。スペースでのボールのもらい方がFWで生きています」と話した。

「J2で積み重ねてきたことが結果になって出ている。これを続けてやっていきたい。目標ゴール数? それは決めていないです。いっぱい取れたらと思います。次もゴールを狙っていきたい。チームが勝っているので、その流れを崩さないようにしたい」と謙遜気味に語った田中。しかし、今年は“和製エース”として期待される男。サポーターは二桁ゴールを期待せずにはいられない。

(取材・文 近藤安弘)

TOP