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F東京ペドロが初出場、東京ダービーへ「良い状態にしていきたい」

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[4.30 J2第9節 F東京0-0札幌 味スタ]

 ゴールが遠い。ボールを支配した時間に比べ、シュートの数も11本と多くない。味の素スタジアムに「シュート打て!」のサポーターからの猛ゲキが何度もこだました。FC東京は、引いた相手から点が奪えないという昨年からの課題を解消できず、札幌にスコアレスドローという悔しい結果に終わった。

「決めるときに決めとけば、きょうも勝てたと思う。決めるとこをしっかりと決めないといけない。もっとゴール前で落ち着いて、枠に飛ばすことが大切。練習からシュート練習をやっていかないといけない」

 FW高松大樹が悔しそうな表情で振り返った。エースFW平山相太が中断期間中に行った4月10日の練習試合・栃木戦で右脛骨および腓骨を骨折。全治4-6ヵ月の重傷を負った。代わりに先発の座をつかんだのが、大分から新加入した元日本代表FWだった。

 ターゲットマンとして、FC東京の攻撃の“先陣”として期待されているが、初先発した24日の千葉戦、そしてこの日も不発に終わった。シュート数も2本ずつと2試合で計4本。相手が引いて守ってきたこと、また、攻撃の組み立てはFW一人ではどうにもならないため、高松の一人のせいではないが、悔しい結果に終わっている。

 次戦4日はヴェルディと“東京ダービー”を戦う。この日の札幌戦後には早くも「ヴェルディだけには負けられない!」の大合唱が起きるなど、サポーターが強く意識している因縁の相手との決戦となる。攻撃陣には、確実にこの日以上の奮起が求められる。

 ただ、プラス材料はある。FWロベルト・セザーが移籍後初先発でフル出場し、膝の怪我で長期離脱していた元G大阪で、新加入のFWペドロ・ジュニオールも後半9分から初出場を果たした。独力でゴールをこじ開けることができる助っ人たちが、調子を取り戻しつつあるのだ。そもそも高松自体も、ここ数年は怪我に悩まれ、今季もまだ怪我から復帰したばかり。状態が上がっていくことが予想される。

 高松は「徐々にゲーム感覚も戻ってきているので、もっと上げていきたい。次は絶対に負けられない。チーム一丸となってやっていきたい」と気合十分。スーパーサブ起用されることが濃厚なペドロは、まだ状態が100%ではないと不安を吐露しつつも「両チームともライバル意識があるので難しい試合になると思うが、それまでに少しでもコンディションや連携を高めるなど、良い状態にしていきたい。ゴールはもちろんだが、勝利に貢献できるように努力したい」と闘志を燃やした。今季3試合でFW陣のゴールはまだ0だが、ライバルとの一戦でうっ憤をぶつけるつもりだ。

[写真]平山の離脱の後、先発をつかんだ高松(右)。連携を高めて得点力不足解消を目指す

(取材・文 近藤安弘)

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