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【U-22日本代表】1G1Aの原口「自分のサッカー観が広がる」

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Text alert@豊田
止まらない、止められない。今季J1で既に3得点を挙げ、才能を開花させつつある原口元気(浦和)が、自在なプレーで1得点1アシストの大活躍。五輪予選メンバーへの生き残りを手繰り寄せたのはもちろん、スタンド観戦したA代表のアルベルト・ザッケローニ監督にも大いにアピールした。

「アグレッシブにやる気持ちがゴールにつながったと思う」

20歳のアタッカーが胸を張った。1-0とリードした前半27分。中央でボールを受け、ドリブルでDF3人を立て続けに抜き去ると、すかさずゴールを狙った。本人が「ミスシュートだった」と振り返った通り、ボールの勢いはさほどなかったが、最後まで右足を振り抜いたその気持ちが得点につながった。

2-0とリードを広げる貴重なゴール。「ミスでも結果的に入ったので、やっぱりシュートを打たないとダメなんだと思った。ゴールはゴールですから」と納得の表情だ。

前日の紅白戦ではサイドに張ることの多かった原口だが、この日は中でのプレーで輝きを見せた。最初にスタンドを沸かせたのは前半16分。ハーフウェーラインで山村和也(流経大)とのワンツーから切れ味あるドリブルで一気にペナルティーエリアまで前進し、山本康裕(磐田)の先制点をアシストした。

 「(山本)康裕くんとあれだけ近い場所にいられたからこそのゴール。いろいろとスペースを探しながら流動的にやれればいいんじゃないかと思う」と攻撃のアイデアが浮かんでいる様子が伝わる。

 前日17日にあった紅白戦後、関塚監督に呼ばれた原口は、約5分間にわたってマンツーマンで指導を受けた。その内容は、「サイドに張るばかりではなく、中でもプレーしろ」というもの。関塚監督は「昨日の紅白戦では、クラブ(浦和)でプレーしているようにサイドに張ったプレーが多かったが、今日は前線の選手とのコンビネーションで、彼の前への推進力が出てきた」と指導による改善に胸を張った。

 得点に関する場面だけではない。大きなサイドチェンジで作ったチャンスも多かった。

「ここで自由にいろいろな仕事ができるのが面白い。パスもやるし、ドリブルも組み立てもやるので、また自分のサッカー観が広がるのではないかと思ってすごく楽しみです」

 埼玉県熊谷市の小学生だったころから全国的に名を知られた存在だった原口。関塚ジャパンでプレーの幅を広げるその先に、さらなる飛躍が待ち受けていそうだ。
(取材・文 矢内由美子)

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