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長友が欧州で初のタイトル獲得!!インテルがコッパ・イタリア連覇達成

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 イタリアの国旗を象徴する緑と白と赤の鮮やかな三色の紙ふぶきが舞う中、日本代表DF長友佑都は金メダルを首にかけ、オランダ代表MFスナイデルらと肩を組みながら満面の笑顔をみせた。イタリア杯(コッパ・イタリア)の決勝が29日にローマのスタディオ・オリンピコで行われ、長友所属のインテルはパレルモに3-1で勝利し、連覇となる通算7度目の優勝を果たした。

 長友にとっては初の欧州でのタイトル獲得。表彰式の後にはスナイデル、DFマテラッツィ、DFルシオらとやり取りをして、優勝カップを手にしたレオナルド監督を胴上げ、歓喜の輪の中心で勝利を喜んだ。

 この日の長友はDFマイコンが出場停止のため、リーグ最終節のカターニア戦(3-1)と同じく右SBで先発出場。公式戦3試合連続のフル出場でチームの勝利に貢献した。試合は前半26分、後半32分とFWエトーのゴールでインテルが2点を先取。同43分には1点を返されたが、終了間際のロスタイム2分にはFWミリートがダメを押す3点目を決め、3-1で試合は終了した。長友は試合を通じて、守備に割かれる時間が多かったが、持ち前の攻撃力を発揮しては幾度かチャンスをつくっていた。

 今季のインテルは連覇を狙った欧州CLでシャルケ04に敗れて準々決勝で敗退。6連覇のかかったセリエAもミランにスクデットを奪われた。3冠を達成した昨季から1年、無冠で終わるわけにはいかないと臨んだコッパ・イタリア決勝で悲願のタイトルを獲得した。今季は多くの日本人選手が欧州の国内杯でタイトルを獲得しており、CSKAモスクワ(ロシア)のMF本田圭佑、シャルケ04(ドイツ)のDF内田篤人に続き、長友が3人目となった。

 大躍進のシーズンだった。昨年6月の南アフリカW杯では日本代表の一員として、全4試合に出場。そこでの活躍が認められ、8月にはF東京からセリエAのチェゼーナにレンタル移籍を果たした。初の欧州挑戦となったが、開幕戦から全16試合に先発フル出場を果たし、1アシストも記録した。そして、1月のアジア杯には日本代表の一員として全6試合に先発出場。決勝・オーストラリア戦ではFW李忠成の劇的決勝弾を演出し、日本のアジア制覇に大きく貢献した。

 ここでの活躍が大きく評価され、チェゼーナへ完全移籍を果たすと、1月31日の移籍市場の最終日にインテルへのレンタル移籍が決まった。世界最高峰のクラブの一員として、2月6日のローマ戦(5-3)で後半30分から途中出場し、デビューを飾ると、そこから瞬く間にチームメイトからの信頼を勝ち取り、先発定着を果たした。まさに激動のシーズンだった。

 今後はキリン杯のペルー戦(1日)、チェコ戦(7日)が控えているため、あす30日早朝の便で日本へ帰国する予定。欧州のトップクラブの一員としてつかんだタイトルを手に日本へ凱旋する。

(文 片岡涼)

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