勝敗を左右する可能性のあるセットプレー。U-22日本代表のセットプレーキッカーはMF清武弘嗣(C大阪)が務めることになりそうだ。U-22オーストラリア戦を翌日に控えた実戦練習で主力組の右MFを務めた清武は、カウンターから左サイドを抜け出したFW永井謙佑の折り返しに長い距離を走って合わせるなど、オーストラリア戦での得点を期待させた。

　また注目が集まりそうなのがその右足だ。所属するC大阪ではセットプレーのキッカーを務めていない清武だが、この日はセットプレーを全て担当。左中間から放った直接FKがDFの頭上を越えてバウンドし、そのままゴールへと吸い込まれたほか、ゴール正面ペナルティーアーク外側から放ったFKを立て続けにゴールマウスへ直撃させるなど、本番でのゴールを予感させた。

「FKを任せられるとは思っていなかった。試合に出られたら多分蹴ることになる。しっかりと蹴りたい。(いいキックを見せたこの日同様)あすもチャンスでいいように蹴れると思う」と清武。この日は関塚隆監督や小倉勉コーチからの「壁の方向に蹴る」や「自分の蹴る角度を意識して」というアドバイスをすぐに実践。好キックにつなげた。

　今回のオーストラリア戦は五輪予選へ向けて重要なアピールの場となる。「自分をしっかりアピールしたい。チームのために貢献したい。みんなで勝ちにいく」と宣言。キッカーを務めることとなりそうなFK、CKのキックに加えて「今年は得点にこだわっている。代表でも取れたらいい」とゴールを誓うMFは、オーストラリア戦で結果を残し、ポジション争いの熾烈な2列目でのレギュラー定着へ向けて一歩前進する。

(取材・文　吉田太郎)